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少量多品種でも半導体の製品不良を高精度に検知できるAIFAニュース

東芝は、半導体の製品不良を高精度に検知するAIを開発した。各製品のデータが少なくても複数製品のデータを1つの品質データとして統合して解析し、不良を高精度に分類するため、少量多品種の半導体製造における製品解析を効率化する。

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 東芝は2020年6月9日、少量多品種の半導体製品の製造で発生する不良を早期に発見するAI(人工知能)を開発したと発表した。

 今回開発したAIは、異なる品質データの特徴量を共通に扱う「製品またぎ処理」により、個々の製品データが十分に得られなくても、複数製品のデータを1つの品質データとして統合する。機械学習のためのデータ量が増えるため、不良を高精度に分類できる。

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開発したAI技術の概要 出典:東芝

 公開データを用いた実験では、少量製品を含む44品の品質データを共通に扱い、大規模な統合データの一部として分類できた。全製品の分類精度は、データ量の増加によって75.3%から83.3%に、少量製品は分類精度が最大で50.0%から87.5%に向上した。

 統合品質データの分類結果を、製品ごとに集計して可視化すれば、複数種類の製品に共通して発生する不良が何か、製品にどのような不良が発生しているかを確認しやすくなり、これまで人手に依存していた不良監視作業を自動化できる。

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少量多品種製品の不良検知のイメージ 出典:東芝

 開発したAIを、東芝デバイス&ストレージグループの半導体工場に適用したところ、1日あたり1人で約4.2時間かかっていた不良解析作業が30分に短縮した。同社は今後、多品種の半導体を少量製造する際の品質検査を効率化すべく、社内外の半導体工場に同AIを適用していく。

 AIで高精度に製品不良の自動検知をするには大量のデータが必要となるが、製品の種類が多い場合は、各製品の分類結果を確認する回数が増えて分析作業が煩雑になる。また、少量を製造する場合は品質データも少なくなり、分類精度の低下が課題となる。そのため、少量多品種を生産する半導体工場では、自動分類のためのAI導入が困難になっていた。

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