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異常検知性能を約7%向上、時系列波形異常検知AI技術を開発FAニュース

東芝は、異常検知性能が従来比約7%向上した、時系列波形異常検知AI技術「LTSpAUC」を開発した。これまでの技術では困難だった、異常の見逃しと誤検出の抑制と、異常判断の高度な説明性を両立させることに成功した。

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 東芝は2020年6月2日、異常検知性能が向上した時系列波形異常検知AI(人工知能)技術「Learning Time-series Shapelets for optimizing Partial AUC(LTSpAUC)」を開発したと発表した。同技術の論文は、AI、データマイニング分野の難関国際会議「SIAM International Conference on Data Mining(SDM2020)」での発表論文に採択されている。

 LTSpAUCは、製造装置やインフラ設備の異常を時系列波形データをベースにML(機械学習)によって検知、診断するAI技術。これまでの技術では困難だった、異常の見逃しと誤検出の抑制、異常判断の高度な説明性を両立させることに成功した。

 同技術には、正常か異常のクラスを自動分類する分類器の学習に加えて、クラス分類に有効な部分波形パターンを同時に学習する手法を採用。さらに、見逃し、誤検出を特定範囲に抑えた分類性能「pAUC(partial Area Under the receiver operating characteristic Curve)」を最大化する学習を導入した。

 例えば、見逃しを抑制する場合、トレードオフの関係にある誤検出を、許容可能な数%以下の範囲に収めることができる。その上で、見逃しを最大限抑えるために必要な複数の波形パターンを学習する。公開時系列データセットを用いた性能評価では、見逃しまたは誤検出を低く抑えた状態で、異常検知性能を示すpAUCが従来比約7%向上した。

 また、従来手法では学習できなかった、希少な異常波形パターンの学習も可能だ。異常と正常を分類した部分波形パターンを提示できるため、AIが判断した根拠を波形パターンから確認することもできる。

キャプション
まれにしか発生しない異常も検出(クリックで拡大) 出典:東芝

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