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線形静解析の流れを“ステップ・バイ・ステップ”で理解する構造解析、はじめの一歩(5)(1/5 ページ)

「構造解析」を“設計をより良いものとするための道具”として捉え、実践活用に向けた第一歩を踏み出そう。第5回は「誰もが必ずできる線形静解析」をテーマに、無償ツールを活用しながら“ステップ・バイ・ステップ”で大まかな線形静解析の流れを解説していく。

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 今回は線形静解析について、ステップ・バイ・ステップで解説していきます。誰もが必ずできる線形静解析の解説を目指します。

※注意※

  • ヤング率、ポアソン比など、基本的な材料力学の知識があることを前提としています。材料力学の知識を持たずして解析を行うことは、免許を持たずしてクルマの運転をするのと同じことです。「危険」であることを心得ておいてください。
  • ソフトウェアのインストールや使用については、自己責任ということでお願いします。

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準備するもの

3Dソリッドモデル

 3Dモデルは、3D CADがないと作れません。皆さんが会社で使っている3D CADは高額です。ですから無料で使える3D CADを探さなければなりません。一昔前なら数百万円もしたCADとほぼ同等なものが、今では無料(一部条件付きなど含む)で使えます。その一部を以下に列挙します。

CAEソフト

 解析を行うことが目的なのでCAEソフトがないとどうにもなりません。何でもできる汎用(はんよう)のソフトは高額過ぎて個人で入手することは不可能です。3D CADと同じように無料のものがあります。

 この2つは、解析がCAEモジュールとして組み込まれています。それはそれで実際の運用では便利なのですが、ユーザーに有限要素法を意識させないように作られています。その配慮が解析の根本的な理解を妨げる場合もあります。

 構造解析の初心者の方には、節点と要素が明確に扱えるCAEソフトがオススメです。筆者は「解析工房」という講習会の中で「LISA」というソフトを使っています。今回はLISAを使ってみますね。

材料定数表

 材料定数は、今やネットで簡単に検索できます。「Fusion 360」などでは、作成した3Dモデルの材料を指定すると、ひも付けられた材料定数がセットされるという親切設計です。

単位換算表

 材料定数を入力する際に単位換算が必要になる場合があります。信頼性の高い「ユニットマーケット」のようなWebサイトを使うのもアリでしょう。

電卓

 単位換算や検算の時に使います。講習会で片持ち梁の手計算に関する課題を出すのですが、最近、正解率がすごく高いのです。正解者の持っている電卓を拝見すると、数式そのものを入力できる関数電卓でした。つまらない計算間違いをなくすために関数電卓はとても有効であることを身をもって知りました。

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