LIXILの“親を想うきっかけを作る”IoTサービスがクラウドファンディング開始:製造業IoT
LIXILグループのNITTO CERAは、乾電池型IoTデバイス「MaBeee」で知られるノバルスと共同で、遠隔地に住む親のトイレ使用状況を可視化するIoTサービス「omu」を開発したと発表した。2020年6月16日からMakuakeを活用したクラウドファンディングを開始している。
LIXILのグループ会社で住宅設備機器の開発と販売を手掛けるNITTO CERAは2020年6月16日、乾電池型IoT(モノのインターネット)デバイス「MaBeee」で知られるノバルスと共同で、遠隔地に住む親のトイレ使用状況を可視化するIoTサービス「omu」を開発したと発表した。同日からMakuakeを活用したクラウドファンディングを開始しており、支援プランはomuのIoT機器+6カ月分の利用料を含めたプランで9810円から(税、送料込み)。支援目標金額は、9月13日までで200万円となっている。
omuは、多くの家庭で利用されているトイレの水タンク上部に設置されている手洗いから流れ出る水を検知することで、そのトイレの使用データを収集できるサービスだ。IoT機器の外形寸法は直径78mm×高さ41mm、重量は約105gで、トイレの水タンク上部の手洗いにちょうど収まる。上方から下方に水を通す穴が開いており、蛇口から流れ出る水がこの穴を通ることをセンシングしてトイレの使用を検知するという仕組みで、設備工事は不要である。
IoT機器がトイレの使用を検知すると、Bluetoothにより連携対象となるスマートフォンもしくは専用ゲートウェイを経由してクラウドにデータが送信される。蓄積したデータを基にトイレの使用状況をスマートフォンアプリで可視化するとともに、“使い過ぎ”や“使っていない”などのアラート通知も行るようになっている。
電源は単四形アルカリマンガン型乾電池2本で、ここにBluetooth通信タイプのMaBeeeが用いられている。電池寿命は約1年だ。LIXILグループの水まわり製品の知見と、ノバルスの給電・通信技術の融合により実現できた。
コミュニケーションが疎遠になっている親のことを“想う”
omuは、遠隔地に住んでいる親の健康を見守る、いわゆる見守り系のIoTサービスの1つだ。ただしその開発コンセプトは、既に体調が悪くなっている親の体調管理ではなく、ある程度健康なこともあって日常生活の忙しさからコミュニケーションが疎遠になっている親に向けて、自然に“親のことを想うきっかけを作る”ところにある。
毎日必ず使うトイレの使用データは、回数に個人差はあるものの、日によって大きなばらつきがなく、変化がない。この“変化がない”ことが分かりやすい指標となり、生活リズムを可視化が可能になる。また、直接会ったり電話したりすることなく、親がいつも通り元気でいることを確認できる。また、何らかの変化があった場合にもアラート通知で早期に知ることができる。
実際に、サービス名称のomuは、「親を想う(omou)」気持ちとcommunicationから名付けられている。利用料についても月額980円(税別)とすることで、利用を継続しやすいように設定したという。
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