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今、半導体業界が求めている人材とはモノづくり業界転職トレンド(21)(2/2 ページ)

コロナ禍で中途採用が厳しくなる中、エンジニアの求人はどこにあるのだろうか。転職市場の現状と、安定的に募集のある業界について転職コンサルタントに話を聞いた。

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異業種からの転職が可能な職種も

 では半導体業界は、どういう職種を募集しているのか。関寺氏は「大きく分けて、設計・開発エンジニア、半導体製造のプロセスエンジニア、製造装置のフィールドエンジニアの3つ。このほか、品質管理、実験や不具合解析が若干ある」と言う。

 半導体そのものの設計・開発は、家電やクルマ、機械の回路設計とはまったく別物。何らかの回路設計の経験者であったとしても、半導体への技術転用は、ほぼできない。そのため、採用ニーズは高いものの、同業界での経験者でなければ難しいのが現実だ。それに対して、半導体製造装置の設計・開発ならば、比較的間口は広い。

 製造装置のフィールドエンジニアは、半導体業界に限らず安定的に募集している職種。景気の善し悪しにかかわらず、メンテナンスは常に必要だからだ。半導体に限ると、製造装置が非常に繊細であるが故に、特に導入時期には試運転や稼働状況の見守りなど、多くのフィールドエンジニアが必要になる。製造装置そのもののプロセスの理解、あるいは機械や電気に関する基本的な素地があれば、異業種の経験も比較的生かしやすい。

 半導体業界の現場は“常に忙しい”と言われている。プロセスエンジニアやフィールドエンジニアは、毒性の高い薬品やガスも扱うので、厳しく安全性は確保されていても、リスクと感じる人もいるだろう。

 しかし、コロナ禍でもメモリやセンサーは伸びているし、今後の伸びも期待できる業界だ。「半導体は、非常に繊細かつ最先端の技術。まだ世の中にない技術を取り扱える、身につけられる、という技術的な面白さがある」と関寺氏。エンジニアとしては、魅力的な分野ではないだろうか。

関寺庸平氏 クイック 人材紹介事業本部 自動車チーム マネージャー

自動車業界を中心に、製造業の転職コンサルタントとして12年の実績。前職では上場メーカーで技術営業をしていたため技術者のキャリアに詳しく、電気・機械・ソフト系技術者の支援に強みを持っている。NHKや日経新聞に製造業の転職市場についてコメントを提供。

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