導入・管理が容易なお手軽映像エッジAI基盤、NTTドコモとベンチャーが共同開発:人工知能ニュース
EDGEMATRIXは2020年5年28日、NTTドコモと共同開発した映像解析用のエッジAI管理プラットフォーム「EDGEMATRIX」を提供開始する。「Edge AI Box」の管理、監視、遠隔操作を一括で実行可能。
EDGEMATRIX(エッジマトリクス)は2020年5年28日、NTTドコモと共同開発した映像解析用のエッジAI管理プラットフォーム「EDGEMATRIX」を提供開始すると発表した。映像カメラに接続したエッジAIデバイス「Edge AI Box」(以下、AI Box)の管理や稼働状況の監視、遠隔操作をプラットフォーム上で一括で行える。またAI BoxにAIアプリケーションを導入することで、カメラの映像に体温検知や侵入検知などのAI処理を施すことも可能になる。
EDGEMATRIXの主要機能は「遠隔管理」と「Edge View」の2種類に大別される。
遠隔管理機能にはAI Boxの設置場所を地図上で確認する機能や、稼働状況や設定の確認機能、必要に応じてチューニングや再起動を遠隔操作で実行できる機能などが含まれている。またAI Boxでの映像解析の結果、危険や異常が検知されるとメールでアラート配信を行う機能も備えている。
Edge View機能はAI Boxに接続したカメラの管理や映像の確認に関わる機能だ。AI処理を行った複数の映像を同時に画面表示することが可能な上、「WebRTC(Real Time Communication)」技術の搭載により映像をWebブラウザ経由でリアルタイムに確認できる。またNAT Traversal(NAT越え)機能によって、プライベートネットワーク内でAI Boxと接続しているカメラにもアクセスできる仕組みだ。
AI Boxに搭載する専用のAIアプリケーションは、EDGEMATRIXの「EDGEMATRIXストア」から購入してインストールできる。EDGEMATRIXストアにはEDGEMATRIXのAI開発パートナーが作成したアプリケーションが順次登録されていく。現在は「顔と体温検知」「密接と密集検知」「赤ちゃんうつぶせ寝検知」「ナンバープレート検知」「侵入検知」の5種類のアプリが利用可能だ。2020年内に計20種類以上のアプリを公開する予定。
EDGEMATRIXの利用料金は月額制で、レンタルするAI Box本体のグレードに応じて異なる。最上位モデルの「Advance」は月額1万8400円、ミッドレンジモデルの「Standard」は屋内外対応機種ともに同7200円、普及機モデルの「Light」は同4300円でEDGEMATRIXを利用できる(それぞれAI Box1台当たりの利用料金)。また、EDGEMATRIXの利用とAI BOXのレンタル、保守および無償交換サポートがセットになったサブスクリプション方式での提供も用意し、Lightモデルで月額1万300円から導入可能だ(※)。
※ Lightモデル以外のサブスクリプションは今後拡充予定だという。
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