製品開発のさらに先へ、ダッソーが次に目指すのは「人体のバーチャル化」:メカ設計ニュース(2/2 ページ)
ダッソー・システムズは、オンラインによる事業戦略説明会を開催し、同社のビジョンを踏まえた近年の事業展開、目指すべき方向性、そして、新型コロナウイルス感染症対策支援の取り組みについて紹介した。
業務再開に向けて
さらに、今後の取り組みとして、COVID-19の収束に伴う事業の再開に向け、自ら同社ソリューションである「DELMIA Quintiq」を活用する。「世界195カ所ある拠点の多くが一時閉鎖となったが、今後、各事業所の再開に当たり、どのようにして段階的に社員をオフィスに戻していくかが課題となる。そこで、最適なリソースの配置やスケジュール管理に、通常サプライチェーンの最適化などで用いられるDELMIA Quintiqを活用することにした」(ゴドブ氏)とし、既にフランス本社と日本法人のオフィスにて実導入を始めたことを明らかにした。
日本が目指す方向性と完全に一致、クラウド活用を訴求
このように、同社自身がCOVID-19の収束に向けた歩みを進める中、あらためて日本市場における展開についても言及。ゴドブ氏は「日本がこれから目指そうとしている『Society 5.0』で示された方向性は、われわれの掲げる事業目的『製品と人々の生活と自然環境の調和』と完全に一致するものだと考えている。その上で、日本の各企業が目指そうとしているミッションの達成に向けて、ダッソー・システムズとして何ができるか。しっかりと取り組んでいきたい」と述べる。
そして、今回のCOVID-19の影響で顕在化したさまざまな課題を解決するものとして、あらためてクラウド活用の提案を強化するとし、キャンペーンなどを絡めながら「3DEXPERIENCE on the Cloud」の導入を加速させていく考えを示す。
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