マツダがオール広島でフェイスシールドを生産、1日最大900個:医療機器ニュース
マツダは2020年5月26日、医療現場など向けにフェイスシールドを供給すると発表した。5月末までに広島県に3000個を寄贈する。県を通じて医療機関に届ける。今後もフェイスシールドの製造を1日900個までのペースで継続し、医療機関向けだけでなく、マツダの国内外の生産拠点や仕入れ先などにおいて使用する分を生産する。販売は予定していない。
マツダは2020年5月26日、医療現場など向けにフェイスシールドを供給すると発表した。5月末までに広島県に3000個を寄贈する。県を通じて医療機関に届ける。今後もフェイスシールドの製造を1日900個までのペースで継続し、医療機関向けだけでなく、マツダの国内外の生産拠点や仕入れ先などにおいて使用する分を生産する。社外向けの販売は予定していない。
フェイスシールドは、シールドフィルムを取り付けるフレームをマツダが、シールドフィルムを石井表記が生産する。医療機関が追加購入するシールドフィルムはジェイ・エム・エスを通じて提供する。
石井表記とジェイ・エム・エスは、マツダと同じく広島県内に本社を置く企業だ。石井表記はマツダと取引のあるサプライヤーで、プリント基板製造装置などを手がける。細かい作業をするときにもストレスなく利用できるよう、透明度が高いシールドフィルムを提供する。マツダは開発用の小規模生産向け射出成形機を使用してフレームを生産。社内の設計部門が協力して金型を製作した。1つの金型で2個のフレームを成形できるようにすることで生産性を高めた。金型ができてから1週間で生産に移ったという。
マツダと石井表記は、広島県からの依頼を受けて1カ月で開発した。シールドフィルムの取り付け部分の設計に当たって、石井表記とマツダはテレワークでやり取りした。当初はステープラーでシールドフィルムをフレームに取り付ける形を検討していたが、外れた針の紛失などに配慮して締結物のない形状とした。シールドフィルムのスリットにフレームをはめ込む形で固定させる。
また、後頭部にゴムを掛けてフィット感を調整できるようにした他、生産ラインの作業者が帽子をかぶりながらフェイスシールドを身につけられる構造とした。フレームの素材はバンパーにも使用するポリプロピレンを採用し、耐久性を持たせた。
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