設計者の働き方が変わる!? デジファブ技術が設計業務にもたらすインパクト:デジファブ技術を設計業務でどう生かす?(1)(3/3 ページ)
3Dプリンタや3Dスキャナ、3D CADやCGツールなど、より手軽に安価に利用できるようになってきたデジタルファブリケーション技術に着目し、本格的な設計業務の中で、これらをどのように活用すべきかを提示する連載。デジファブ技術を活用した新たなモノづくりの視点や働き方、業務改革のヒントを製造業の設計現場視点で考察していく。
本格化するデジファブ活用、設計業務も新たな時代へ
2010年にクリス・アンダーソン氏が著書『MAKERS 21世紀の産業革命が始まる』の中で提唱した「メイカームーブメント」という言葉をご存じの方も多いかと思います。インターネットに接続したデジタル工作機械を使用して、新たな産業革命を起こそうというものです。世界中の「ガレージ(自宅の工作室)」がオンラインでつながり、「仕事」と「デジタルツールの利用」を同時にすることでイノベーションを創出する――。そんな世界の実現を示しています。
メイカームーブメントに代表される変革の波は、趣味や個人ビジネスのモノづくりだけに起きていることではありません。製造業の設計現場でも起こりつつあります。
現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を抑えるためにテレワーク(在宅勤務)を行っている方もいらっしゃるかと思います。会議をオンラインで頻繁に行うようになったり、クラウド技術を利用してデータを共有したり、クラウドに数値計算をさせたりなど、これまでも活用されてきた技術ではありますが、今まで以上に、インターネットやクラウドの利用を前提とした、デジタルツールによる設計業務の変革が進んでいくことでしょう。
また、そうした変革を後押しする技術トレンド(IoT[モノのインターネット]やAI[人工知能]など)との関わり方も見逃せませんので、連載の中でこうした話題にも触れていければと思います。
本連載が、製造業の設計者をはじめ、多くの方々にとっての新たな働き方のヒント、業務改革の参考になれば幸いです。それではまた次回お会いしましょう! (次回に続く)
筆者プロフィール
小原照記(おばら てるき)
いわてデジタルエンジニア育成センターのセンター長、3次元設計能力検定協会の理事も務める。3D CADを中心とした講習会を小学生から大人まで幅広い世代の人に行い、3Dデータを活用できる人材を増やす活動をしている。また企業の困り事に対し、デジタルツールを使って支援している。人は宝、財産であると考え、時代に対応する、即戦力になれる人財、また、時代を創るプロフェッショナルな人財の育成を目指している。優秀な人財がいるところには、仕事が集まり、人が集まって、より魅力ある街になっていくと考えて地方でもできること、地方だからできることを考えて日々活動している。
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