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電力効率が汎用GPUの10倍以上、量子化DNNエンジン搭載のAIチップを開発人工知能ニュース

ソシオネクストは、ディープラーニング推論処理向けの「量子化DNNエンジン」を搭載したAIチップを試作し、動作と性能を確認した。高度なAI処理を、小型で省電力のエッジコンピューティング機器単体で実行できるようになる。

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 ソシオネクストは2020年3月17日、ディープラーニング(深層学習)推論処理向けの「量子化DNN(ディープニューラルネットワーク)エンジン」を搭載したAI(人工知能)チップを試作し、動作と性能を確認したと発表した。

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「量子化DNNエンジン」搭載AIテストチップ(クリックで拡大) 出典:ソシオネクスト

 今回開発した量子化DNNエンジンには、低消費電力で高性能の深層学習に必要な低ビット化技術と、パラメーター圧縮技術を組み合わせた「量子化DNN技術」を使ったアーキテクチャが組み込まれている。また、効率的にデータを供給するオンチップメモリ回路技術により、メモリの使用量を大幅に削減できる。

 作製したテストチップは、「YOLO v3」による物体検出において、検出速度が30fps、消費電力が5W以下と、汎用GPUと比べて10倍以上の電力効率を達成した。チップには「Arm Cortex-A53」クアッドコアCPUを搭載しているので、AI処理が1チップで済む。

 また、TensorFlowをベースフレームワークとした低ビットの「Quantization Aware Training(量子化を考慮した学習)」や「Post Training Quantization(学習後の量子化)」を実行可能な深層学習ソフトウェア開発環境も用意した。これらの開発環境とテストチップを組み合わせることで、先進ドライバー支援システム(ADAS)、監視カメラ、FAにおいて、高度なエッジコンピューティングができるようになる。

 今回の試作は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NECO)の委託事業「進化型・低消費電力AIエッジLSIの研究開発」によるもので、同社はパートナー企業とともに回路の最適化を進め、AIチップの完成を目指すとしている。

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