1台で2つの出力を備え、PCで動作確認ができるアジャスタブル近接センサー:FAニュース
アズビルは、1台でセンサー2台分の機能を搭載し、設定や動作確認が容易なアジャスタブル近接センサー「形 H3C」を発売した。動作設定と確認がPCでモニタリングできるため、センサー設置作業の効率化、設備の稼働率向上に貢献する。
アズビルは2020年3月3日、1台で2つの出力を有し、設定や動作確認が容易なアジャスタブル近接センサー「形 H3C」を発売した。初年度に4500台、5年後に4万5000台の販売を目指す。
一般的な近接センサーは出力が1つで、検出領域内でON/OFF出力する動作点が固定されている。形 H3Cは、センサー2台分の機能を備えており、検出体の移動に応じて動作点を2点設定してON/OFF出力できる。
それぞれの出力のON/OFFを組み合わせることで、1台で「OFF/OFF」「ON/OFF」「ON/ON」「OFF/ON」と最大4エリアの検出が可能だ。これにより、例えば工作機械の工具を自動交換する際などに、工具の有無や取り付け位置のずれなどを同センサー1台で検出できるため、設置調整作業を効率化する。
また、従来の近接センサーの検出距離は1〜10mm程度と短く、調整作業が難しいことや、設置位置が作業者によって異なり、安定した検出ができないなどの課題があった。形 H3Cは、PCの専用設定ツールが最適な動作点を自動調整するため、簡単な調整で安定した検出ができる。
動作状態の確認もしやすくなっている。従来はセンサー本体の表示灯で動作状態を確認しており、設置位置によっては見えにくい、装置を動かしながらでは動作確認がしづらいといった課題があったが、形 H3Cは動作状態や動作点と検出体の位置関係をPCでモニタリングできるようになっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 第4次産業革命を支える「簡単でシンプルなIoT」の意義
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説していきます。第15回となる今回は最近注目される「簡単でシンプルなIoT」についてまとめます。 - エッジは強く上位は緩く結ぶ、“真につながる”スマート工場への道筋が明確に
IoTやAIを活用したスマートファクトリー化への取り組みは広がりを見せている。ただ、スマート工場化の最初の一歩である「見える化」や、製造ラインの部分的な効率化に貢献する「部分最適」にとどまっており、「自律的に最適化した工場」などの実現はまだまだ遠い状況である。特にその前提となる「工場全体のつながる化」へのハードルは高く「道筋が見えない」と懸念する声も多い。そうした中で、2020年はようやく方向性が見えてきそうだ。キーワードは「下は強く、上は緩く結ぶ」である。 - 工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か
労働力不足が加速する中、人手がかかる作業を低減し省力化を目的とした「自動化」への関心が高まっている。製造現場では以前から「自動化」が進んでいるが、2019年は従来の空白地域の自動化が大きく加速する見込みだ。具体的には「搬送」と「検査」の自動化が広がる。 - 自律するスマート工場実現に向け、IoTプラットフォーム連携が加速へ
製造業のIoT活用はスマート工場実現に向けた取り組みが活発化している。多くの企業が「見える化」には取り組むが、その先に進むために必要なIoT基盤などではさまざまなサービスが乱立しており、迷うケースも多い。ただ、これらのプラットフォームは今後、連携が進む見込みだ。 - 見えてきたスマート工場化の正解例、少しだけ(そもそも編)
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説します。第28回となる今回は、スマート工場化において見えてきた正解例について前提となる話を少しだけまとめてみます。 - スマートファクトリーはエッジリッチが鮮明化、カギは「意味あるデータ」
2017年はスマートファクトリー化への取り組みが大きく加速し、実導入レベルでの動きが大きく広がった1年となった。現実的な運用と成果を考えた際にあらためて注目されたのが「エッジリッチ」「エッジヘビー」の重要性である。2018年はAIを含めたエッジ領域の強化がさらに進む見込みだ。