欧州の特許出願数でソニーが世界9位、欧州特許庁が2019年調査レポート公開:知財ニュース
欧州特許庁「2019年 EPO特許レポート」を発表した。日本は特許出願数で世界3位、アジア圏では1位となった。また企業別出願数ではソニーが世界9位となった。
欧州特許庁(EPO:European Patent Office)は2020年3月12日、同庁が受理した特許を国や企業、技術分野別に分析した「2019年 EPO特許レポート」を発表した。総特許出願数は18万1406件となり、前年から4%増加した。一方で日本企業による特許出願数は前年比2.3%減少して2万2066件となったが、特許出願数の国別順位では世界3位、アジアでは1位となった。
全体で見ると、5G関連技術を含む「デジタルコミュニケーション」部門とAI(人工知能)関連技術を含む「コンピュータ技術」部門の特許出願数が大きく伸長した。デジタルコミュニケーション部門の特許出願数は前年比19.6%増、コンピュータ技術部門は同10.2%増となった。また、各部門における特許出願数の上位3社は、デジタルコミュニケーション部門はファーウェイ、エリクソン、クアルコムに、コンピュータ技術部門はGoogle親会社のアルファベット、マイクロソフト、サムスンになった。
日本企業からは「電気機械、装置、エネルギー」部門での特許出願が最も活発に行われた。同部門は日本企業による特許出願数全体の9%を占めており、これはEPOが受理した同部門の特許出願数全体の17%に当たる。なお最も伸び率が高かったのは「視聴覚技術部門」の前年比13.2%増で、「光学」部門の9.7%増がそれに続く。
企業別に見ると特許出願数のトップはファーウェイで、3524件だった。以下、特許出願数の上位10社を列挙すると、サムスン(2858件)、LG(2817件)、プラット・アンド・ホイットニーなどを傘下に置くユナイテッド・テクノロジーズ(2813件)、シーメンス(2619件)、クアルコム(1688件)、エリクソン(1616件)、ロイヤル・フィリップス(1542件)、ソニー(1512件)、ロバート・ボッシュ(1498件)と続く。
また日本企業のみで特許出願数を比較すると、トップのソニーに続き、パナソニック(782件)、日立製作所(740件)、キヤノン(698件)、三菱電機(685件)、トヨタ自動車(541件)、東芝(406件)、三菱重工業(401件)、富士フイルム(352件)、リコー(328件)という結果となった。
また、ソニーはコンピュータ技術部門とデジタルコミュニケーション部門の双方で世界7位の特許出願数を達成した。この他、電気機械、装置、エネルギー部門でパナソニックが同11位、三菱電機が同12位、矢崎総業が同13位、日立が同15位を獲得している。また、日立は「測定」部門でも同6位となった。
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