日産が社外の出身者を専務に呼び戻し、三菱自は技術顧問の山下氏が退任へ:製造マネジメントニュース
日産自動車と三菱自動車は、2020年4月1日付で実施する役員体制の変更などについて発表。日産は新たに7人が専務執行役員と常務執行役員に就く。三菱自動車は、意思決定の迅速化とコミュニケーションの円滑化などを目的に執行役と執行役員に関する制度変更を行う。
日産自動車と三菱自動車は2020年3月11日、2020年4月1日付で実施する役員体制の変更などについて発表した。日産は新たに7人が専務執行役員(SVP)と常務執行役員(CVP)に就くとともに、5人が理事(VP)に昇格する。三菱自動車は、意思決定の迅速化とコミュニケーションの円滑化などを目的に執行役と執行役員に関する制度変更を行う。
日産で新たに専務執行役員に就く2人は、現在は社外にいる日産出身の人材になる。1人は、三菱自動車の執行役専務で、海外販売の最高責任者であるグローバルマーケティング&セールス担当を務めるギョーム・カルティエ氏だ。日産では、アフリカ・中近東、インドマネジメントコミッティ、グローバルダットサンビジネスユニットを担当する。もう1人は、マレリ(旧カルソニックカンセイ)の副社長執行役員でIBU CEO インテリアエクスペリエンス事業本部の渡部英朗氏である。渡部氏は、経営戦略本部、ニューモビリティ、コーポレートガバナンス、コーポレートマネジメント、取締役会室の担当となる。
両氏とも日産出身であり、2019年12月1日に発足した同社 社長兼CEOの内田誠氏を中心とする経営体制を支えていくことになる。
三菱自動車は、カルティエ氏の日産への異動などに合わせて執行役3人、執行役員2人、理事3人の新任を決めた。なお、会長付技術顧問としてアドバイザーを務めてきた山下光彦氏が2020年3月末で退任することも決まった。日産の研究開発担当の副社長などを務めた山下氏は2016年6月、燃費不正問題を受けて三菱自動車の取締役副社長 執行役員(開発担当)に就任し、再発防止策の取り組みを進めるなどしてきた。
制度変更では、執行役と執行役員それぞれで階層を減らす。執行役体制では、現在の執行役CEOから執行役まで6層あるところを執行役CEOと執行役CXO(COOやCFOなど)、上席執行役、執行役の4層に減らす。執行役CEOと執行役CXOはチーフ・オフィサーとして経営上特に重要な役割を、上席執行役と執行役は重要機能部門トップとしての職責を担う。執行役員体制は、現在常務執行役員と執行役員の2層から成るが、これを執行役員に一本化する。
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