流体解析用ポストプロセッサの最新バージョンを国内で公開:CAEニュース
ヴァイナスは、流体解析用ポストプロセッサの最新バージョン「FieldView 19」を国内で公開した。ハイブリッドパラレル処理により、大規模解析データ可視化処理を高速化する。
ヴァイナスは2020年3月4日、流体解析(CFD)用ポストプロセッサの最新バージョン「FieldView 19(フィールドビュー19)」を国内で公開した。ハイブリッドパラレル処理により、大規模解析データ可視化処理を高速化する。価格は標準ライセンス(8並列)で年間ライセンス120万円、永久ライセンスは295万円(各税別)。2020年度は50ライセンスの販売目標を掲げる。
FieldView 19は、FieldView CFDが開発した流体解析業務の効率化を推進する可視化ソフトウェアだ。分かりやすいGUIによる多くの可視化評価機能を搭載。マルチソルバ対応、並列処理機能、自動化機能、データ抽出、共有機能を備え、素早く複雑な流体現象を把握できるため、工学設計へスムーズに展開できる。
最新バージョンは、従来のクライアントサーバ方式の並列処理に加え、クライアント PCのマルチスレッド処理に対応するハイブリッドパラレル処理機能を搭載。複雑な流れ場や渦構造を可視化するストリームラインを8スレッドで最大7倍、24スレッドで最大13倍高速化した。
また、工学設計評価機能とセキュリティ機能を強化。表示境界面をXYZ方向と物理量で絞り込むことによる複雑な内部流可視化や空力解析での圧カ分布、感度解析での感度分布の評価を容易にする境界面マルチクリッピング、データ読み込み速度の向上などの機能を搭載した。ライセンスサーバモジュールの機能を向上しており、セキュリティ機能も強化している。
同社は、FieldView CFDの国内唯一の代理店として、これまでと同様に日本国内、ユーザーの海外事業でのFieldViewのライセンス販売、技術サポートを実施する。国内の自動車、重工業、機械メーカーや関連企業、公的研究機関などへの販売を予定している。
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