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位置度を考える上で重要な「最大実体公差」産機設計者が解説「公差計算・公差解析」(13)(4/4 ページ)

機械メーカーで機械設計者として長年従事し、現在は3D CAD運用や公差設計/解析を推進する筆者が公差計算や公差解析、幾何公差について解説する連載。第13回は、位置度において重要な考え方の1つである「最大実体公差」について取り上げる。

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最小実体サイズを見直してガタを詰める

 では、最大実体公差方式により、図7の最小実体サイズの見直しを行います。

図7に対してガタを詰める
図8 図7に対してガタを詰める [クリックで拡大]

 図7の状態のガタを詰めるために、軸の中心距離と穴の中心距離を0.1[mm]変更しました。このとき、穴の中心間距離は、位置度公差の許容範囲の中で最小49.8[mm]となり、軸の中心間距離は最大50.2[mm]となります。これら中心間距離は、図7の状態に対して、0.1[mm]甘く設定できたといえます。

図8の拡大図
図9 図8の拡大図 [クリックで拡大]

 この状態でも、はめ合いを正しく行うことができました。



 さて次回は、「動的公差線図」を使い、より具体的な規格の設定方法について解説します。お楽しみに! (次回に続く)

Profile

土橋美博(どばし・よしひろ)

1964年生まれ。25年間、半導体組み立て関連装置メーカーで設計・営業・3次元CAD推進を行う。現在、液晶パネル製造装置を主体に手掛ける株式会社飯沼ゲージ製作所で3次元CADを中心としたデジタルプロセスエンジニアリングの構築を推進する。ソリッドワークス・ジャパンユーザーグループ(SWJUG)の代表リーダー・事務局も務める。



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