ニュース
第4次産業革命に関する経営者意識調査、日本は「社会課題解決」への意識が希薄:製造マネジメントニュース
デロイト トーマツ グループは、第4次産業革命に関する国内外の経営者の意識調査結果を発表した。世界の経営者は、第4次産業革命を通じて、経済価値と社会価値の同時創出を追求する傾向にあるという。
デロイト トーマツ グループは2020年1月21日、同社が実施した第4次産業革命に関する、国内外の経営者の意識調査結果を発表した。世界の経営者は、第4次産業革命を通じて、経済価値と社会価値の同時創出を追求する傾向にあるという。
同調査によると、第4次産業革命への投資から得られる効果として、国内外経営者とも、「収益拡大」「生産性、効率性向上」「顧客との関係強化」「社内、業務コスト削減」「リスク管理向上」などへの期待が高いことが分かった。「ポジティブな社会影響力増大」に関しては、世界では6割弱が回答しているが、国内では4割弱にとどまっており、意識に差が出た。
社会課題解決に取り組む理由として、世界の経営者は「収益創出」を最も多く挙げている。一方、国内経営者で同項目を挙げたのはわずかで、「外部ステークホルダーの優先事項」「従業員との関係強化、新規採用」に回答が集中した。世界では社会課題を自社の利益創出の機会だと捉える傾向にあるが、国内では利害関係者からの要請や期待への対応を重視する傾向にあることが読み取れる。
また、世界に比べて国内では、社会課題解決への取り組みを行っていない企業も多い。取り組んでいる場合でも、「必要に応じた特定分野・目的ごとの戦略がある」「正式な戦略はない」など、包括的かつ統合的な戦略策定への注力が増しつつある世界的な傾向と差が出ている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「モノ+データ」の新たな製造業へ、成果創出のポイントは「データ専門会社」
製造業のデジタル変革は加速する一方で2020年もさらに拍車が掛かることが予想される。その中で立ち遅れが目立っていたデジタル化による「モノからコトへ」の新たなサービスビジネス創出がいよいよ形になってきそうだ。ポイントは「専門の新会社設立」だ。 - 製造業のデジタル変革は第2幕へ、「モノ+サービス」ビジネスをどう始動させるか
製造業のデジタル変革への動きは2018年も大きく進展した。しかし、それらは主に工場領域での動きが中心だった。ただ、工場だけで考えていては、デジタル化の価値は限定的なものにとどまる。2019年は製造業のデジタルサービス展開がいよいよ本格化する。 - 日本版第4次産業革命が進化、製造含む5つの重点分野と3つの横断的政策(前編)
経済産業省は2017年3月に発表した日本版の第4次産業革命のコンセプトである「Connected Industries」を進化させる。より具体的な取り組みを盛り込んだ「Connected Industries 東京イニシアティブ 2017」を新たに発表した。本稿では2回に分けてその内容をお伝えする。 - 第4次産業革命って結局何なの?
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。しかし、そこで語られることは抽象的で、いまいちピンと来ません。本連載では、そうした疑問を解消するため、第4次産業革命で起こることや、必要となることについて分かりやすくお伝えするつもりです。第1回目はそもそもの「第4次産業革命とは何か」を紹介します。 - イノベーションを生み出す「デザイン思考」とは
現在、日本の製造業で求めらているイノベーションを生み出す上で重要な役割を果たすといわれているのが「デザイン思考」だ。本稿では、デザイン思考が求められている理由、デザイン思考の歴史、デザイン思考と従来型の思考との違いについて解説する。 - コマツとランドログの事例に見る「デザイン思考」の実践
前編では、デザイン思考が求められている理由、デザイン思考の歴史、デザイン思考と従来型の思考との違いについて解説した。後編では、デザイン思考を実践するにあたり、押さえておきたいプロセスやその手法を、コマツが直面した課題やランドログのアプローチを中心に紹介していく。