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抗老化候補物質NMNを安全に投与できることをヒトで確認医療技術ニュース

慶應義塾大学は、抗老化候補物質として期待されるニコチンアミドモノヌクレオチドが、健康なヒトに安全に投与できることを明らかにした。加齢に伴って発症する疾病の予防や治療につながることが期待される。

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 慶應義塾大学は2020年1月21日、抗老化候補物質として期待されるニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)が、健康なヒトに安全に投与できることを明らかにした。同大学医学部 教授の伊藤裕氏らと、ワシントン大学との共同研究による成果となる。

 研究グループは、40歳以上60歳以下の健康な男性10人を対象にした臨床研究を2016年より実施。同じ人に対し、100mg、250mg、500mgのNMNをそれぞれ1回ずつ経口投与した。投与した全ての用量で、摂取後に血圧や脈拍などの変化、肝機能、腎機能を見る血液および尿検査で異常は認められなかった。また、目の機能や睡眠にも影響はなかった。

 一方、血液中のNMNからつくられる代謝産物量は、NMNの投与量が多いほど増加しており、投与量に応じて代謝していることが分かった。これらの結果から、経口投与したNMNは投与量に応じて体内で代謝されること、さらに、500mgの単回投与までは安全に使用できることが示唆された。

 体内のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)は、加齢とともに減少し、糖尿病などの疾病の原因になることが知られている。従来の研究で、NMNの投与によってNADが増加し、加齢による疾病を抑えられることが確認されている。

 今回の研究で、NMNがヒトに安全に投与できることが明らかになったことで、加齢に伴って発症する疾病の予防や治療につながる。今後は、NMNの長期間投与がヒトに与える影響や、NADのより詳細な体内動態を明らかにするために、健常者を対象にした長期間投与研究を予定している。

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