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京セラグループの強みを結集、商業用インクジェットプリンタに本格参入:イノベーションのレシピ(2/2 ページ)
京セラドキュメントソリューションズは、商業用高速インクジェット事業への本格参入を発表した。第1弾として、2020年3月にインクジェットプリンタ「TASKalfa Pro 15000c」を発売する。
高速印刷かつ多品種出力に対応
TASKalfa Pro 15000cは、同社の複合機やプリンタで培ってきた技術をベースにしている。高速シングルパス方式と精度の高い用紙搬送システム、安定した高速給紙システムの採用により、高い生産性を提供するとしている。
大量の連続印刷への対応を重視し、プリントヘッド部分には「ライン型インクジェットプリントヘッド」を採用した。固定したヘッドに用紙を搬送して高速印刷を実現する。A4サイズの用紙なら毎分150枚の高速印刷が可能で、キャリブレーションで中断せずに、1時間の連続印刷を行える。製品本体の給紙容量は4000枚で、インラインオプションとして上下2段のペーパーフィーダー2台と手差しキット1つを連結すれば、最大1万4310枚の給紙が可能になる。
印刷中であっても用紙をセットできる他、インク供給経路内にサブインクタンクを設けたため、印刷動作を止めることなくインクコンテナを交換可能だ。「ノンストップの生産性にこだわった構造となっている」(長井氏)という。
また、多品種出力に対応するため、A6からSRA3までの定型サイズをカバーし、普通紙以外にもインクジェット専用紙やエンボス紙、封筒、バナー紙などさまざまな用紙で出力可能とした。最大360g/m2の厚さの用紙まで対応する。
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