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東京の小学生がトヨタ自動車九州をバーチャル見学、「次はエジプトがいいな」VRニュース

トヨタ自動車とANAホールディングスは2020年1月28日、港区のレクサスインターンショナルギャラリー青山において、84人の小学5年生向けに工場見学型デジタル授業を実施した。東京都内にいながら、福岡県宮若市にあるトヨタ自動車九州 宮田工場を見学するというものだ。現地の説明員とリアルタイムにやりとりしながら、クルマづくりを学んだ。

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宮田工場からの質問に手を挙げる様子(クリックして拡大)

 トヨタ自動車とANAホールディングスは2020年1月28日、港区のレクサスインターナショナルギャラリー青山において、84人の小学5年生向けに工場見学型デジタル授業を実施した。東京都内にいながら、福岡県宮若市にあるトヨタ自動車九州 宮田工場を見学するというものだ。現地の説明員とリアルタイムにやりとりしながら、クルマづくりを学んだ。

 工場見学型デジタル授業に使用したのは、ANAホールディングスが開発したアバターロボット「newme」、360度カメラを使ったソフトバンクの映像通話システム、凸版印刷の遠隔体験支援ウェアラブルデバイスだ。青山と宮田工場の運営スタッフ複数人が同時に会話するためのグループトークデバイス「BONX for BUSINESS」も使用した。

 青山と宮田工場はインターネットでつないだ。宮田工場の紹介では完成車を展示するPR館と第2組立工場から中継。PR館と第2組立工場のそれぞれに無線LANネットワークを設け、上述したデバイスを接続。2カ所の無線LANネットワークは宮田工場に置いた終端装置で統括し、青山とやりとりした。

代表者が宮田工場にあるアバターロボットを青山から操作する場面も(左)。組み立てラインを間近で見学した(右)(クリックして拡大)

 宮田工場と青山の中継はおよそ50分間にわたって行った。宮田工場で生産するレクサス車に関するモノづくり面でのこだわりや、生産ラインでの作業の様子を紹介。ところどころで3択のクイズを宮田工場から投げ掛けながら、クルマの組み立てについて説明した。途中、宮田工場からの音声が聞き取りにくい場面が何度かあったが、青山のスタッフが補足するなどしてカバーした。

 参加した小学生は、学校の行事でこれまでに食品などさまざまな工場を見学している。「日産の追浜工場にも行った」というので今回のデジタル授業との違いを尋ねてみると、「工場に実際に行くと音やにおいが感じられるし、自分の目でいろいろなところを見られた。今回は、普通の工場見学よりも間近で見ながら、詳しい説明を聞けたのがよかった。リアルもバーチャルもどちらもそれぞれいいところがあると思う」と話してくれた。

 また、デジタル授業で行ってみたい場所について聞いてみると「エジプトのピラミッドの中を見てみたい。危ないので中の見学は大変だと聞いたことがある」「ヨーロッパの教会を見たい。ヨーロッパに行く機会はなかなかないから」と声が上がった。


 東京都内の小学校を例に考えると、先述した日産追浜工場をはじめ自動車関連の工場見学は近隣の県で幾つか選択肢がある。そのため、「我が国の工業産業」を体感してもらうのが授業の狙いであれば、まずはリアルで工場を見てからバーチャルの工場見学を行った方がより高い効果を得られる可能性が高い。今後、さまざまな場所に行くデジタル授業を重ね、「東京都内からアクセスしにくい、大人数を引率して訪問するのが難しい、しかし、子どもたちに見せたい」というニーズを満たす場所を取り上げる手段として活躍を期待したい。

アバターロボット「newme」(左)。ソフトバンクの映像通話システムで使用するカメラと、ハーマンインターナショナルが提供したオーディオ(右)(クリックして拡大)
凸版印刷の「IoAネック」。5G時代に向けて遠隔体験を支援する(左)。距離に制限なく、グループトークが可能な「BONX」(右)(クリックして拡大)

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