テレワーク技術を工場ネットワークに転用、ITとOTをセキュアに融合する新技術:製造ITニュース
e-Janネットワークスは、工場に安全なネットワーク環境を提供する工場ネットワークアクセスサービス「NinjaConnect ISM」を2020年2月3日に発売すると発表した。2022年度までに600工場への導入を図り、年間3億円の売上高を目指すとしている。
e-Janネットワークスは2020年1月22日、工場に安全なネットワーク環境を提供する工場ネットワークアクセスサービス「NinjaConnect ISM」を2020年2月3日に発売すると発表した。
同社ではもともとテレワークプラットフォーム「CACHATTO」を展開し、国内外で1100社以上の導入実績を持つ。この「CACHATTO」の海外展開を計画する中で、インドのWipro Enterprisesと関係ができ「彼らが工場ネットワークを課題だと感じていることに気付いた。IoT(モノのインターネット)などへの対応が求められる中、工場内には古いPCが数多く残されており、セキュリティ対応も難しいことから、これらを直接インターネットにつなぐわけにはいかない。しかし、IoT化を進めてスマート工場化を実現したいという要望だった。そこで、この工場の課題に『CACHATTO』の技術が生かせると考えた」とe-Janネットワークス 代表取締役の坂本史郎氏は経緯について語る。
「CACHATTO」は、テレワークプラットフォームで携帯電話端末やスマートフォン端末、PCなどのさまざまな端末から社内システムなどを安全に利用できるリモートアクセスサービスである。社外とのやりとりを、クラウド上のDMZ(非武装地帯)に設置されたアクセスポイントとサーバの間に限定することで、安全なネットワークを実現できる技術を採用しており、この技術を工場向けに転用する。
新たに投入する「NinjaConnect ISM」は、ネットワーク設定に大きな変更を加えることなく工場内に「Ninjaコネクター」を設置するだけで、工場内の制御PCにセキュアにリモートアクセスできるというものだ。ユーザーは、あらゆる端末から専用のブラウザを通じて遠隔地の工場にアクセスし、セキュアな環境下で工場の制御システムの閲覧したり操作したり、ログや機械設定のバックアップを行ったりすることができる。これにより、出張費や人件費も削減できるという。
具体的には、クラウド上に脅威などを無害化するDMZを設置し「NinjaConnect ISM」を用意する。一方工場ネットワーク内には「Ninjaコネクタ」を設置し、このDMZ上の「NinjaConnect ISM」とだけ情報のやりとりをする仕組みとしている。工場内の情報を活用するときはPCやスマートデバイスで「NinjaConnect ISM」にアクセスし、これを経由した形で工場内の情報を獲得するという仕組みだ。
「NinjaConnect ISM」と「Ninjaコネクタ」をワンストップで提供し月額は6万円(税別)。「Ninjaコネクタ」1つ当たりで50端末まで接続可能だという。対象の企業規模は従業員100〜1000人程度を想定し、2022年度までに国内で600工場、年間3億円の売上高を目指すとしている。
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