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次世代モビリティの姿、自動運転、MaaS、エアモビリティ、地域連携がキーワードにモビリティサービス(2/2 ページ)

「CEATEC 2019」(2019年10月15〜18日、幕張メッセ)、「第46回東京モーターショー2019」(会期:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)の関連イベントとして2019年10月18日、リレーカンファレンス「Mobility Summit〜近未来の移動空間の姿を浮き彫りに!〜」が開催された。Society 5.0具現化に向けたスマートモビリティによる、近未来の姿を自動運転、MaaS、エアモビリティ、地域連携をキーワードに展望し、新たなイノベーションの社会実装の可能性を議論した。

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MaaS市場の本格拡大を目指すMONET Technologies

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MONET Technologies 事業推進部 部長の上村実氏

 次に登壇したのは「MaaS(Mobility as a Service)」市場の本格拡大を目指すMONET Technologies 事業推進部 部長の上村実氏である。上村氏は「Mobility Innovation」をテーマとし、実際の事例を交えながら最新のMaaS事業への取り組みについて紹介した。

 MONET Technologiesは、自動運転社会を見据えて最新技術を活用したMaaS事業を展開することを目指しソフトバンクとトヨタ自動車が設立した合弁会社である。ただ、現在は、日野自動車、本田技研工業、いすゞ自動車、スズキ、SUBARU、ダイハツ工業、マツダも株主として参加しており、自動車業界の枠組みを超えて新たなモビリティサービスを可能とする基盤作りへの取り組みを進めている。

 オンデマンドモビリティサービス、データ解析サービス、Autono-MaaSサービスなどの事業を行い、現在は「MONETプラットフォーム」の提供に注力している。「MONETプラットフォーム」により、コンビニエンスストア、宅配サービス、スーパーマーケット、医療機関などのサービス提供者と連携を図りながら、自動車メーカーや運輸会社の持つMaaSデータを活用し「さまざまな価値提供を実現できる」(上村氏)とする。

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「MONETコンソーシアム」のイメージ画像 出典:MONET Technologies

 この他、モビリティイノベーションに向けて地方自治体との連携を推進。千葉市や東京都の府中市、福島県いわき市、愛知県みよし市などの他、2019年12月には大阪府や愛知県とも包括協定などを結んでいる。これらの自治体との連携よりさまざまな実証を進めていく考えである。また。2019年3月には企業間連携組織「MONETコンソーシアム」を設立しており、約400社の民間企業が加盟。これらのコミュニティーをベースとし、MaaSにより提供できる価値を高めていく方針である。

「空の移動革命」を推進するエアロネクスト

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エアロネクスト 代表取締役社長の田路圭輔氏

 「空」を切り口にモビリティを語ったのが、エアロネクスト 代表取締役社長の田路圭輔氏である。田路氏は「未来の空を考える」として、無人航空機(ドローン)が、自動車が生み出した巨大なエコシステムに匹敵する社会インパクトがあることなどを紹介した。

 ドローンは「風に弱い(耐風性)」「モーターの信頼性」「飛行時間」「飛行速度」などさまざまな課題を抱えている。これらの問題に対して「ソフトウェアで解決するエンジニアが多いが、われわれはハードウェアで対応していこうとしている点が特徴だ」と田路氏はエアロネクストの違いについて語る。ハードウェア開発に取り組む理由について田路氏は「根本的な機体の構造を変えなければ、ドローンのこれ以上の劇的な進化は望めない。課題が解決できずに、期待されるようにドローン産業が拡大しない可能性もある」と田路氏は語る。

 そこで、30年間進化していない機体フレームを変革。独自の重心制御技術「4D GRAVITY」により、飛行部と搭載部を物理的に切り離すことで、機体バランスの安定と従来にない動きの飛行を可能にした。「従来のドローンは“空飛ぶカメラ”にすぎなかった。しかし、ドローンの本質的な価値はロボットを空に自由に飛ばせることだと考えている。“空飛ぶロボット”を実現することで従来にはないさまざまな価値が実現できる」と田路氏は述べている。これらの技術革新に取り組むことで、同社では、フライングロボット、フライングカーへと「新しい空域の経済化」を目指している。

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独自の「4D Gravity」技術を搭載したエアロネクストのドローン 出典:エアロネクスト

モビリティの課題にブロックチェーンで答えるMOBI

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伊藤忠総研/Mobility Open Blockchain Initiative(MOBI) 産業調査センター 主任研究員の深尾三四郎氏

 モビリティの抱えるさまざまな課題に対し、ブロックチェーン技術で解決を図ろうとする取り組みを進めているのが「Mobility Open Blockchain Initiative(MOBI)」である。最後に登壇した伊藤忠総研/Mobility Open Blockchain Initiative(MOBI) 産業調査センター 主任研究員の深尾三四郎氏は「モビリティにWeb3.0時代が到来〜500年に一度の大変革に挑戦するMOBIの概要と最新動向〜」をテーマに、国際コンソーシアム「MOBI」の概要と最新動向を紹介した。

 MOBIは、ブロックチェーンを活用して自動車を中心としたモビリティの課題解決に取り組む国際コンソーシアムで、2018年5月に設立された。2019年10月にはフォードやBMWなど大手自動車メーカーが参加し、車両アイデンティティー(VID)の実証実験の開始を発表している。「移動体で安全にデータを交換するのはセキュリティ面でも従来型の仕組みでは制約が大きくなる。MOBIでは、ブロックチェーン・分散台帳技術を駆使し、デジタルコインをベースに次世代モビリティを核としたスマートシティーの構築を目指していく」と深尾氏は語っている。

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MOBIのWebサイト(クリックでWebサイトへ)出典:MOBI

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