ニュース
Wi-FiアクセスポイントとSigfoxを活用した、位置情報サービスの提供開始:製造業IoT
京セラコミュニケーションシステムは、IoTネットワーク「Sigfox」の位置情報サービス「Atlas WiFi」の提供を開始した。Sigfox通信エリアで、Wi-Fiアクセスポイントを活用して位置情報を取得する。
京セラコミュニケーションシステムは2019年12月2日、IoT(モノのインターネット)ネットワーク「Sigfox(シグフォックス)」の位置情報サービス「Atlas WiFi(アトラス ワイファイ)」の提供を開始した。物流分野をはじめ、位置情報を活用する分野での利用を見込む。
Sigfoxは、無線通信LPWA(Low Power Wide Area)の1つで、低価格、低消費電力、長距離伝送が特徴だ。見守り、農業、物流・アセット、環境、設備など、さまざまな分野で利用されている。
Atlas WiFiは、Sigfox通信エリアで、Wi-Fiアクセスポイントを活用して位置情報を取得するサービス。アクセスポイントのMACアドレスをもとに数十mの精度で経度、緯度、想定精度範囲などの位置情報を提供する。一般的なGNSS(全球測位衛星システム)に比べて消費電力が少なく、屋内・屋外にかかわらず位置測位ができる。
Wi-Fiアクセスポイントがない場所でも、Sigfox基地局をベースにした位置測定サービス「Atlas Native」を組み合わせることで、位置情報を取得できる。自社のWi-FiアクセスポイントをAtlas WiFiに組み込む「Private Databaseサービス」での利用も可能だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- いまさら聞けないSIGFOXネットワーク入門
IoTが拡大する中でネットワーク技術は必須となります。そのIoT向けのネットワーク技術として注目されているのが「SIGFOXネットワーク」です。本稿では、SIGFOXとは何か、どういう価値があるのかという点を分かりやすく解説します。 - いまさら聞けないLPWAの選び方【2019年春版】
製造業をはじめIoT活用への取り組みが進む中で、IoTに最適な通信技術であるLPWA(省電力広域ネットワーク)に注目が集まっている。一口でLPWAと言っても、さまざま通信規格があるためどれを選んでいいか分かりにくい。本稿では、LPWAを中心にIoT向け通信の選び方について解説する。 - IoT-EngineがSigfoxと連携、アグリゲートコンピューティングの世界は広がるか
「2019 TRON Symposium」の展示会場では、構想発表から4年が経過し、一定の熟成を見せつつあるIoT-Engineの関連製品が披露された。Sigfoxを用いた通信に対応するなど、IoT-Engineにつながる世界は着実に広がりつつある。 - 物流ニーズを狙うSigfox、国内人口カバー率は94%に
京セラコミュニケーションシステムは2019年2月20日、LPWA(Low Power Wide Area)ネットワークである「Sigfox」をテーマとしたプライベートイベント「KCCS IoT Conference 2019」を開催し、Sigfoxの現状と今後の方向性を紹介した。 - Sigfoxの活用は国内100万回線へ、軽量・低価格・長寿命が開くIoTの可能性
京セラコミュニケーションシステムは2017年2月に国内サービスを開始したLPWAN「Sigfox」の進捗状況について説明。開始当初から2018年3月に目標としていた人口カバー率50%を無事に達成した他、100万回線で利用され、順調に普及が進んでいる様子を示した。 - アマゾンがLPWAを独自開発、LoRaWANでもSigfoxでも802.11ahでもない
アマゾンは、独自のLPWA(低消費電力広帯域)ネットワーク(以下、LPWA)を開発中であることを明らかにした。「Sidewalk」と呼ぶこのLPWAは、ISM帯域である900MHz帯を用いており、km単位の通信距離と、電池駆動のIoTデバイスを年単位で動作させられるという。