実現近づく“未来の技術”、2020年は航空機電動化の動向に注目
時がたつのは早いもので、2019年も残り1カ月を切りました。来年2020年は数字の語呂もよく、なんだか節目の年になるなと勝手に感じています。“未来の技術”に関するお披露目も多く予定されており、私たちメディアの人間は忙しい1年となりそうです。
“未来の技術”の筆頭格である空飛ぶクルマも、2020年から本格的な展開が始まりそうです。空飛ぶクルマを開発する日本の有志団体CARTIVATOR/ベンチャー企業SkyDriveは、2020年7月に空飛ぶクルマ「SkyDrive」の有人デモフライトを予定しています。東京オリンピック・パラリンピックでのお披露目も視野にあるといい、実現が待ち遠しいところです。
また、従来の航空機における電動化技術も2020年に新たなフェーズへ入ります。イスラエルの航空機メーカーEviation Aircraftの純電動機「Alice」が2020年に初飛行するとみられ、実現すると9人搭乗できるコミューター機クラスで初の事例となりそうです。Aliceは2022年の市場展開を目指し、2021年の型式証明取得に向けて開発が進められています。
同機は一般的なチューブ&ウイングの機体形状を採用しつつも、両主翼端にモータープロペラを搭載。機体後部にはBLI(Boundary Layer Ingestion:境界層吸い込み。胴体の境界層を吸い込み、摩擦抵抗を抑制する)および緊急用のファンモーターも装備しています。機体構造のほぼ全てが複合材料で構成されており、FAR(米国連邦航空規則) Part 23に適合する小型航空機で初となる、全システムのフライバイワイヤ化を実現したとします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ≫過去の編集後記
- 離陸する航空機電動化の時代――この転換期に日本製造業は飛翔できるか
航空需要が飛躍的に高まる中、航空産業が排出する地球温暖化ガス削減は急務だ。また、空飛ぶクルマといった新たなモビリティも具現化しつつある。これらの実現を支える航空機電動化技術は日本製造業を大きく成長させる起爆剤となりえる。 - カッコ悪くなるくらいならプロペラは4つ、空飛ぶクルマの姿勢制御と軽量化
2018年5月23日〜25日の3日間、パシフィコ横浜で「人とくるまのテクノロジー展2018 横浜」が開催された。この展示会の主催者企画の中から、CART!VATOR(カーティベーター)の取り組みを紹介する。