ロボットがリレー形式であなたをナビ、日本信号が顔認証を活用した次世代案内サービスを披露:第6回鉄道技術展2019
日本信号は「第6回鉄道技術展2019」に出展し、「顔認証による入退・案内サービス」のコンセプトを披露。顔認証を活用することで、あらゆる場所で個人を特定でき、その人だけのサービスを提供し、スムーズな移動と適切な案内を実現するという。
日本信号は「第6回鉄道技術展2019」(会期:2019年11月27〜29日、幕張メッセ)に出展し、「顔認証による入退・案内サービス」のコンセプトを披露していた。
顔認証による入退・案内サービスは、顔認証を活用することで、あらゆる場所で個人を特定でき、“その人だけのサービス”を提供し、スムーズな移動と適切な案内を実現するものである。
日本信号が提案する顔認証を用いた「入退場支援」と「案内支援」
展示会場では、ゲートとの連携により実現する「入退場支援」、そして、日本信号が開発する駅案内ロボット「ekibo」と連携した「案内支援」の2つの利用シーンを提案し、注目を集めていた。
利用には次世代券売機による登録作業が必要となる。具体的には、利用者の顔データ、クレジットカード情報、個人情報(氏名、住所、年齢、連絡先、母国語)をそれぞれ紐付けて次世代券売機に登録。これら各種情報はセキュアなクラウド環境で管理され、ゲートとの連携、ekiboとの連携などに用いられる。
ゲートとの連携では、従来のようにチケットの購入やICカードなどをタッチすることなく、顔認証だけで改札を通過できる。鉄道以外にも、美術館などチケットを購入して入退場するような施設などでも活用できるという。顔認証技術については、グローリーの顔認証システムを活用しているとのことだ。
一方、ekiboとの連携では、個人を特定した駅構内の案内や道案内が可能となる。例えば、A駅でekiboに「○○という場所に行きたい」と話しかけると、「B駅で下車して、改札前にいるekiboに聞いてください」とekiboが返答し、B駅の改札に着くと、B駅に設置されているekiboが「××さん、○○は改札を出てまっすぐ300m歩いた先にあります」と教えてくれるという。
「当初、ロボットを自走させて案内業務に当てようとしていたが、多くの人が行き交う駅構内では運用が難しいと判断。その代案として、ロボットに人の顔を覚えさせ、複数のロボット間で対話情報をリレーさせてスムーズな案内を実現することを考えた。1台の自走式ロボットに道案内をさせるのではなく、複数の設置式ロボットを数珠つなぎで用いることで、迷うことなく目的地まで誘導できると考えている。2020年度中には、ekiboで情報をリレーして道案内ができるかどうかの実証実験をスタートさせたい」(説明員)
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