ロボットIT基盤を活用し、銀行の商品/サービスを紹介する実証実験を支援:ロボット開発ニュース
日立製作所は、リモートブレイン構成のロボットIT基盤を活用し、三菱東京UFJ銀行が提供する商品/サービスの紹介を行う実証実験を支援する。ロボットの対話能力や、商品/サービス紹介の実用性を検証する。
日立製作所(日立)は2017年6月9日、リモートブレイン構成のロボットIT基盤を活用し、三菱東京UFJ銀行が行う商品/サービス紹介の実証実験を支援すると発表した。ロボットIT基盤を活用したロボットの対話能力や、ロボットによる商品/サービス紹介の実用性を検証する。
実験は同年6月12〜16日にかけて、東京都千代田区の三菱東京UFJ銀行本店で実施。同行が保有する人型ロボット「NAO」を日立のロボットIT基盤を用いて制御した。NAOは店舗ロビー内で客と対話し、「三菱東京UFJ-VISAデビット」やスマートフォン向けアプリケーションなどの商品/サービスの紹介を行う。
日立のロボットIT基盤は、リアルタイム性が要求される処理は本体側で行い、音声/画像/言語処理などの知能処理はロボットの外側で行うリモートブレイン構成を採用している。今回の実証実験では、ロボットIT基盤の音声認識/音声雑音除去/対話の意図理解といった機能を活用した。
実験では、近づいてきた客をNAOが検知し、あいさつをする。その後、客にいくつかの質問をし、回答内容を踏まえて三菱東京UFJ-VISAデビットやスマートフォンアプリケーションの「三菱東京UFJ銀行」「バーチャルアシスタント」のいずれかを勧める。NAOの発話内容とNAOの横にあるタブレット端末の表示内容は連動が可能で、客が希望したサービスの利用申し込みページやアプリケーションのダウンロードサイトのQRコードを表示できる。
近年、公共スペースや商業施設で、ロボットによる接客/案内などが行われている。三菱東京UFJ銀行では、成田空港支店で外国人観光客向けにNAOの多言語翻訳機能を活用した案内業務の実証実験を行うなど、ロボットの活用に取り組んでいる。
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