ニュース
ヒト型ロボットが羽田空港を縦横無尽に走って案内、日立が実験開始
日立製作所は開発中のヒト型ロボット「EMIEW3」を利用した実証実験を、羽田空港にて開始した。実験の最終段階では、店舗などへの誘導を希望された際に、フロア内を走行して利用者を案内する予定だ。
日立製作所は開発中のヒト型ロボット「EMIEW3」を利用した実証実験を、羽田空港にて開始した。空港利用者に2カ国度で対応し、設置された案内用ディスプレイに情報を表示する他、空港フロア内を自律移動しながら目的地への案内も行われる予定。実験は2016年9月から12月頃までの間行われる。
EMIEW3は店舗や公共施設での接客・案内業務などを行うために開発されたヒト型ロボットで、ロボット単体ではなく、遠隔にて各種処理や制御などを行う「ロボットIT基盤」と組み合わせての運用が想定されている。また、「人間と共生し、実作業を担うロボット」であることも意図されており、実証事件はこの意図を確認するため、3段階に分けて行われる。
専用カウンターから動かず音声で対応し、外部ディスプレイに情報を表示するのが第1段階。第2段階では問いかけに対し、自律走行してディスプレイまで利用者を案内して説明をする。第3段階では店舗など空港内目的地までの誘導を希望された際に、フロア内を走行して利用者を案内する。
EMIEW3は実証実験の第3段階で検証される「フロア内を走行して案内する」という目的を果たすため、身長90センチ/15キロのロボット本体に、最高時速6キロの移動速度、15ミリの段差乗り上げ機能、転倒からの起き上がり機能も備えており、会話やディスプレイなどを使った情報伝達にとどまらないサービスの提供を目指す。
EMIEW3はジャイロの値から「転倒する」ことが分かるので、その際に腕を引き、後で自分が姿勢変換しやすいような姿勢をとる。そして、膝を使って自分の重心を崩して回転し、腕で上体を起こしながら立ち上がる(本体に比べて腕が長いのもこのため)。首の部分に内蔵された測域センサーや、外部の環境カメラを使って、自分がこの部屋の中でどのあたりにいるかをもう一度確認して、もとのタスクに戻る
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「EMIEW3」に見えた、ヒトとロボットの共生
「EMIEW3」は日立製作所が2018年中の投入を計画している、ヒト型サービスロボットだ。人間とロボットがそれぞれの強みを発揮する「共生」の思想を体現し、「役に立つロボット」であることを目指す。 - Pepperにライバル、クラウド連携のヒト型サービスロボ「EMIEW3」
日立製作所が接客案内などを行うヒト型サービスロボット「EMIEW3」を2018年に市場投入する。クラウド接続を前提に、システムとして目的を果たす思想で開発されており、監視カメラや商品DBとの連携でサービスを提供する。 - 人とロボットの自然な対話を実現――日立が人間共生ロボット用対話技術を開発
日立製作所は、質問に含まれる複数の単語から最適な答えを選別する技術と、相手がうなずいたり首をかしげたりする動作から理解度を推定する技術を開発。ロボットが質問に対してより自然で柔軟な回答をし、さらに相手の反応を見て適切に対応できるようになる。