工場データの活用進める安川電機、モーション情報を統合する新コントローラー披露:IIFES2019(2/2 ページ)
安川電機は「IIFES2019」(2019年11月27〜29日、東京ビッグサイト)において、同社が提案する新たなモノづくりコンセプト「i△△3△△-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」を体現するデモラインを披露。新たにモーション制御領域におけるデータ活用を活性化する独自の「YRMコントローラー」を参考出品として披露した。
「アイキューブメカトロニクス」によるデータドリブン工場を披露
IIFES2019の会場では、これらの「YRMコントローラー(仮称)」を含め、各種戦略機器やソリューションを組み合わせ、デモラインでの製造状況をリアルタイムにデータ化し、それを「見える化」する様子を示した。
現場の情報は、MECHATROLINKを経由して「YRMコントローラー(仮称)」に集約。「YASKAWA Cockpit」とのやりとりで必要な情報を「見える化」する一方で、データ分析を行い、フィードバックが必要な制御情報については「YRMコントローラー(仮称)」を経由して現場の制御に戻すという仕組みである。
これらの仕組みにより、デモラインでは、さまざまな加工情報をリアルタイムに取得することができる。会場内には数多くのディスプレイが展示され、「YRMコントローラー(仮称)」と「YASKAWA Cockpit」により、さまざまな情報が表示できることを紹介していた。「YRMコントローラー(仮称)」は2021年中の発売を予定しており、今後は「技術のチューニングやより具体的な活用方法の開発などを進めていく」(担当者)としている。
【訂正】安川電機の申し入れにより、初出時から「YRMコントローラー(仮称)」の発売時期に関する表現を変更しました(2019年12月3日16時45分追記)。
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