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たった1年で、大きく変わる学生たちとクルマ車・バイク大好きものづくりコンサルタントが見た学生フォーミュラ2019(4/4 ページ)

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#7 名古屋工業大学(N.I.T. Formula Project)


名古屋工業大学N.I.T. Formula Projectリーダーの八幡さん(クリックして拡大)

 見事総合優勝に輝いた名古屋工業大学のピットに、エンデュランス終了後でまだ最終結果が出ていない時点にお邪魔して、リーダーの八幡美春さん(以下Y)にお話をお聞きしました。

S 素晴らしい走りでしたね! 感動しました。ドライバー2人すごいね!

Y はい。2人のドライバーはクルマづくりの知識もすごく、チームの中心として活動してくれました。

S 女性リーダーとは思っていませんでした。ごめんなさい。でも多くのメンバーをまとめてこの5日間、いや、1年間活動するのは大変だったでしょ? 今、この瞬間の思いを聞きたいな。

Y 取りあえずホッとしているというのが1番です。上位校がリタイアする中、うちも走り切れるのか? 何が起こるか分からないって気持ちが大きかったです。

S 午前中から10チームほどのエンデュランスの走りを見たけど、名古屋工業大学のマシンが最終〜第1コーナーを1番インについていましたよ。これはすごいハンドリングマシンだなぁって! 車体設計の素晴らしさとそれを乗りこなすドライバーの腕、本当に見ていて気持ちが良かったです。どれくらい走り込んだんですか?

Y 4月の半ばにはシェイクダウンが終わり、それから毎週のように走り込みました。走行距離は550kmに及びます。ドライバーも今年で3回目の出場なので、ベテランです。車両もドライバーもいい状態だったと思います。

S 今部員は何人くらいいるの? まとめるのが大変でしょう?

Y 38人です。大変な時もありますが、みんな頭がいいので自発的に活動してくれます。

S エンデュランスでは再始動もスムーズに行ったし、傍から見ている分にはとても安心して見ていられました。そうだ、初優勝ですよね?

Y え? まだ結果出てないですよ? タイムではエンデュランスは1位ですが、燃費が微妙で横浜国立大学さんとどちらが勝つか微妙です。

S あれ? そうなんだ! ドキドキだね! でも、さっきデザイン審査員の方と話してきたんだけど、「名工大じゃない?」って言ってましたよ。

Y 皆さんそう言ってくれるのですけど、私たちのシミュレーションでは微妙なんです。2位以内であることは確実で、過去最高順位となることは分かっているんですけど、優勝目指してやってきたので……。

S 今何回生なの?

Y 3回生です。来年もリーダーとして頑張ります!

S じゃぁ、来年もここで会えますね。今年のマシンは昨年とどこを変えたの?

Y 徹底的に軽量化しました。昨年比20kg減の179.5kgです。目標の180kgを切りました。

S 179.5kg! 軽いなぁ! 私、ハーレーに乗ってるんだけど、260kgありますよ(笑)

Y やっぱりマシンが美しいですね。2本出しのマフラーもいいなぁ。

S 速いマシンは美しい! ステアリング中央のディスプレイには何を表示するんですか?

Y スマートフォンがセットされていまして、ラップ数とかラップタイムを外から送ってドライバーに知らせるアプリが入っています。

S じゃぁ、ピットボード要らないね。

Y いや、一応出すんですけどね(笑)

S ホイールは13インチから10インチにサイズダウンしたんですよね。

Y はい、タイヤ外径が16インチです。

S じゃぁ、来年の抱負を聞いて〆ようかな。

Y 今年の結果もまだ出ていないですけど……来年はマシンをもっとアップデートして、静的審査の成績も上げます。

S どうもありがとうございました!


 最終結果は予想通り名古屋工業大学が初の総合優勝を果たしました。各審査の成績は、デザイン18位、プレゼンテーション19位、コスト11位、アクセラレーション18位、スキッドパッド1位、オートクロス1位、エンデュランス1位、効率12位と、準優勝の横浜国立大学に13点の差をつけての優勝です。

 総合3位には「勝つためのEV」をテーマに掲げた名古屋大学EVが入りました。今大会の上位3校はもちろんのこと、総合4位で、CAE特別賞、ベストエアロ賞など多くの特別表彰を受賞した中国の同済大学、今回惜しくもリタイアした昨年の優勝校大阪大学、そして京都工芸繊維大学のリベンジと、2020年大会も楽しみです!

 次回はデザイン審査員を務めるオートコムデザイン代表の影山邦衛氏へのインタビューを掲載します。学生フォーミュラ大会出場者へのヒントになれば幸いです。

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