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日産の工場はどう変わるのか、国内外でIoT本格導入とロボット活用拡大スマートファクトリー(3/3 ページ)

日産自動車は2019年11月28日、横浜市の本社で会見を開き、次世代の自動車生産のコンセプト「ニッサンインテリジェントファクトリー」を発表した。

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集中管理室で工場を見守り

 工場のIoT化により、集中管理室でベテラン技術者が設備を見守るリモートメンテナンスを始める。集中管理室で設備の使用状況や状態を常時監視しており、故障が発生すると現場の保全員に集中管理室から指示を送る。現場保全員が身に着けたウェアラブル機器やタブレット端末を活用し、ベテランが修理の様子を遠隔で確認しながら確実に故障修理を行えるようにする。集中管理室には現場に指示する人が3人、車体や塗装、組み立てといった工程ごとにデータを分析する人が3人在籍するという。

 栃木工場の生産ラインには設備監視用で300個、品質管理用で400個のカメラも設置されている。設備の故障が発生すると、集中管理室のベテラン技術者は故障直前の映像を見ながらロボットやラインを流れる製品の流し方に異常がなかったかを確認し、設備の状態とともに故障診断の材料とする。

 これらの取り組みにより、故障から復旧するまでの時間を従来比で40%削減するという。従来は、経験が少ない技術者が故障診断と修理を何度もやり直すケースが、故障発生件数の1割以上を占めていた。さらに、予防予知保全では、集中管理室で音や振動といったセンサーで異常のサインも分析し、故障前に点検、対策して稼働停止を未然に防ぐ。

 今後、同じ構成でIoT化する日産自動車の工場が増えていけば、日本から海外の工場に故障時の対応をアドバイスすることもできる。また、集中管理室を工場ごとではなく地域ごとに設けて、効率的に管理することも可能になるという。

 工場のIoTネットワークには、品質管理機能も連携している。生産ラインの各工程での品質の判定結果、組み立て後の検査結果のデータなどを全てネットワークにあげて自動記録し、全ての品質基準を満たしたクルマだけが出荷されるようにする。

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