オムロンがモバイルロボットの新製品を発売、シリーズ最大の搬送重量250kg:無人搬送車
オムロンは2019年11月15日、同社のAGV(無人搬送車)製品ラインアップで最大となる250kgまで搬送可能な「モバイルロボットLD-250」をグローバル市場で発売した。
オムロンは2019年11月15日、同社のAGV(無人搬送車)製品ラインアップで最大となる250kgまで搬送可能な「モバイルロボットLD-250」をグローバル市場で発売した。「業界初」(同社)となる、搬送重量が異なるモバイルロボットを1つのシステムで制御可能にした「フリートマネージャ」と連携することで、柔軟で最適な自律搬送を実現する。
オムロンは、人や障害物を自動で回避しながら最適なルートを自ら考え、決められた場所に荷物を届ける自動搬送ロボット「LDシリーズ」を提案している。従来の製品ラインアップは、60kgまで搬送可能なLD-60、90kgまで搬送可能なLD-90、そして最大130kgまで搬送可能なカートトランスポータータイプをそろえていた。
新たに発売されたLD-250は、シリーズ最大となる250kgの搬送が可能。従来品よりも頑丈な金属カバーで覆われており、意図せぬ外部の衝撃や過酷な作業に耐える。ロボット上部面積も従来機種の約2倍となり、自動車のトランスミッションブロックやシートなど大型の自動車部品や容積の大きい梱包材など、人がカートを使って移動させていた搬送作業の自動化に貢献する。また、1回あたりの搬送で移動させられる荷物量が増えるため、ROI(投資収益率)の向上にもつながる。
ロボット上部には、コンベアや搬送容器など用途に応じた専用マテリアルハンドリング機構を組み合わせてカスタマイズすることも可能だ。高精度位置決めシステムやサイドレーザセンサーなどの各種オプションも用意されている。
また、オムロンのフリート管理システム「フリートマネージャ」によって、ペイロードや性能の異なる同社製モバイルロボットを最大100台まで同時に制御することができる。LD-250も同システムへ容易に接続でき、従来機種とシームレスに連携する。互換性やパフォーマンスを心配することなく、トラフィックやバッテリー管理、車両ナビゲーションを最適化できる。
なお、オムロンは「2019 国際ロボット展」(2019年12月18〜21日、東京ビッグサイト)で同製品を出展する予定だ。
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