リニアモーター駆動の精密形彫り放電加工機、AI条件アドバイザーも標準装備:FAニュース
ソディックは、リニアモーター駆動の精密形彫り放電加工機「AL40G」「AL60G」を発売する。XYZ各軸には、自社製の高出力リニアモーターを搭載し、主軸リニアモータースライド部にはセラミックスライダーを採用している。
ソディックは2019年10月22日、リニアモーター駆動の精密形彫り放電加工機「AL40G」「AL60G」を同年11月1日に発売すると発表した。価格はAL40Gが1600万円、AL60Gが1850万円(各税別)で、それぞれ年間300台、200台の販売を目指す。
AL40G、AL60GのXYZ各軸には、自社製の高出力リニアモーターを搭載。高速かつ高応答な加工性能を有し、ボールねじを使用しない非接触駆動により、経年変化を抑え、長期にわたり高精度を維持する。
主軸リニアモータースライド部には、セラミックスライダーを採用し、深リブ加工の高速化・安定加工を可能にした。高速ジャンプにより加工チップを効果的に排出し、2次放電に起因する異常アークや加工形状不良を抑制。放電制御技術「アークレス4」を採用したことで、高速化や極限まで電極消耗の抑制、梨地から鏡面までの多彩な加工面質などが可能になった。
新開発の「SP電源」は、「M4LNK CNC」ボードを採用。通信速度と処理速度が上がり、モーター制御応答速度は2倍以上に向上した。SP電源と各種放電制御、放電回路が、荒加工、中仕上げ、仕上げの全ての領域において加工の精度、速度、品質を向上している。また、精密補正機能「TH COM」により、従来機より熱変位量を2分の1に抑えている。
19型タッチパネルは、AI(人工知能)条件アドバイザー「LN Pro AI」を標準装備しており、初心者でも加工性能を最大限に引き出せる。3面自動上下式加工タンクを採用し、自動電極交換装置による簡易的な自動化から、ロボットを用いた本格的な自動化システム構築まで、多様な自動化のニーズに対応する。
さらに、独自の「Sodick IoT」プラットフォームに基づいた機械管理システム「S-HARMNY」や機械状態モニター「S-Viewer」が、ものづくりの見える化を支援する。
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