WHOガイドラインのゾーニングに適したバイオハザード対策キャビネットを発売:医療機器ニュース
日立産機システムは、WHOガイドラインのゾーニングに適した、バイオハザード対策用クラス㈼キャビネット「新型SCVシリーズ」を2019年11月に発売する。室内気流を工夫し、作業者と試料の防護を両立した。
日立産機システムは2019年10月21日、WHOガイドラインのゾーニングに適した、バイオハザード対策用クラス㈼キャビネット「新型SCVシリーズ(SCV-1309EC㈼A2)」を発表した。室内気流を工夫し、作業者と試料の防護を両立した。発売は同年11月の予定だ。
同キャビネットは、1979年に日立製作所が開発。主に感染症や微生物の研究、遺伝子組み換え実験などで利用されている。病原体などを扱う際に発生する汚染エアロゾルの暴露による感染を防ぐため、気流の力を使って隔離性能を保証する。
新型SCVシリーズは、前面シャッター側の気流による隔離性能を維持するとともに、作業室内は後方に流れる気流を最適化。エアロゾルが後方に流れるエリアを20%広げることで、試料や廃棄缶の適切な配置が可能になり、WHOガイドラインのゾーニングに適した作業室内気流を達成した。
これにより、廃棄缶周辺の汚染エアロゾルの影響を防ぎ、作業者の防護を可能にした。同時に、コンタミネーションを抑制し、実験作業中に主原料とは異なる物質が混入するのを防止する。
前面のシャッター開口高さは200mmと250mmで、作業者の体格や作業内容に合わせて選択できる。誤って指定外のシャッター開口高さに設定した際には、警報音を鳴らすことで作業者の安全を守る。
作業台内の照明にはLED照明を採用し、設計寿命を約4倍の4万時間に長寿命化した。作業中に照明が切れるリスクを低減し、省エネルギー化を達成。本体内部を500Paに加圧した際、30分後の圧力低下は10%以下となっている。
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