設備と人の状況を可視化する製造業向けIoTソリューション:製造ITニュース
日立ソリューションズ東日本は、製造業向けの生産性向上IoT/データ分析ソリューション「WellLine」の提供を開始した。製造現場の設備の稼働ステータスを収集し、アンドンや分析画面、人・設備チャートにより可視化する。
日立ソリューションズ東日本は2019年10月16日、製造業向けの生産性向上IoT(モノのインターネット)/データ分析ソリューション「WellLine」の提供を開始した。今後3年間で5億円(周辺のシステムインテグレーションを含む)の販売を目指す。
同ソリューションは、製造現場の設備の稼働ステータスを無線技術で収集し、クラウド上のデータベースに格納して即座にアンドンや分析画面、人・設備チャートにより可視化する。対象の稼働ステータスは、運転、停止、障害(エラー)など、運用に合わせて設定できる。
また、無線機能を持つセンサーを内蔵した「サイコロ型デバイス」を用いて、設備周辺の人の作業も収集できる。同様のセンサーを作業者が持ち歩くことで、フロアのどの区画に滞在していたかの履歴も収集可能だ。これらのデータを人・設備チャートとしてパソコンに表示し、設備稼働と人の作業の関係を可視化する。それぞれの作業を比較し、タイムラグを確認することで時間のロスなどを低減できる。
収集したデータはクラウド上のデータベースに格納するため、設備の稼働状況をネットワークやパソコンを使って遠隔から把握できる。製造現場では、大型ディスプレイを使ってフロアを俯瞰するアンドンとして活用できる。さらに、見やすい様式のチャートで可動率などの指標を提供するため、データを集計する時間がない場合や数値の分析経験がない担当者でも状況を把握可能になる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 設備保全における予兆管理、予防保全を支援する設備・資産管理システム
日立産業制御ソリューションズは、設備・資産管理システム「SmartFAM Ver3.0」を発売した。収集・蓄積したデータを一元管理かつ可視化し、設備保全における予兆管理、予防保全の取り組みを支援する。 - 高効率な個別大量生産に対応する日立大みかのノウハウ、IoTプラットフォームから提供
日立製作所はIoTプラットフォーム「Lumada」を利用して、同社大みか事業所におけるIoT活用事例の一部を汎用化し、外販を開始した。今回は、RFIDで取得したデータから各工程の進捗を把握し、遅延が発生した工程の対策を検討する「進捗・稼働監視システム」、作業時間が通常よりも長くかかっている生産工程を検出し、画像分析などにより問題点を可視化する「作業改善支援システム」の2つを提供する。 - デジタルツインの最初の一歩、日立が生産工程のデータ連携を最適化を支援
日立製作所は、生産設備の稼働状況や環境情報などのOTデータと、生産計画や在庫管理などのITデータをデジタル空間で簡単にひも付けられ、生産工程全体の最適化を支援するソリューション「IoTコンパス」を発売する。 - 製品配置を考慮し最適な作業工程を作成、多品種産機向けシステムを開発
日立製作所と日立パワーソリューションズは、製品配置などを考慮した最適な作業工程を作成できる多品種産業機械の製造、メンテナンス向けの「工程計画立案・管理システム」を共同開発した。 - ISO22400を製造業のIoT導入に役立てる方法
製造業を中心にIoTの導入が活発になる中でよく耳にするようになった、生産管理の標準化指標「ISO22400」。後編となる本稿では、ISO22400の応用・発展例として、製造業のIoT導入における生産管理指標として何をどう見て行けば良いのか、指標管理のポイントや最近のトレンドとなる物流総合効率に目を向けた評価指標について解説する。 - AIを活用したプラント向け異常予兆検知システムを製油所へ納入
NECは、プラント向け異常予兆検知システムをJXTGエネルギー水島製油所(岡山県倉敷市)のボイラー設備へ納入する。2019年10月に稼働開始の予定だ。