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製品配置を考慮し最適な作業工程を作成、多品種産機向けシステムを開発:製造ITニュース
日立製作所と日立パワーソリューションズは、製品配置などを考慮した最適な作業工程を作成できる多品種産業機械の製造、メンテナンス向けの「工程計画立案・管理システム」を共同開発した。
日立製作所は2019年3月19日、日立パワーソリューションズと共同で多品種産業機械の製造、メンテナンス向けの「工程計画立案・管理システム」を開発したと発表した。製品配置などを考慮した最適な作業工程を作成できる。
設備を使用するスケジュールを考慮しながら同時に製品の配置を計画し、スペース不足による作業遅延の発生を防ぐアルゴリズムを構築。同アルゴリズムを利用することで作業時間が短縮可能な工程計画を作成するスケジューリング技術を開発した。製品や設備ごとの作業スケジュールを表すガントチャートや、製品配置の計画を示したレイアウト変化図を作成でき、割り込み作業などにも対応する。
また、工場内のカメラの映像から製品番号や製品などを検出して作業状態を把握できるAI(人工知能)を用いた画像認識技術を開発。ガントチャートやレイアウト変化図と作業状況を比較することで、工場内の進捗状況を可視化し作業量や作業人員の適正化を図れる。
同システムを日立パワーソリューションのメンテナンス工場において過去の作業データを用いて検証した結果、計画の作業日数を20%短縮できることが確認できた。両社は今後、同システムを2019年度中に実用化することを目指す。
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