FPGAベースのAIアクセラレータを開発するための新たな開発環境を発表:組み込み開発ニュース
Xilinxは、統合ソフトウェアプラットフォーム「Vitis」を発表した。標準ライブラリを豊富に備え、既存のツールやフレームワークを使用できるため、ソフトウェア開発者はアルゴリズム開発に専念でき、ハードウェア開発者は生産性を向上できる。
Xilinx(ザイリンクス)は2019年10月1日、統合ソフトウェアプラットフォーム「Vitis(バイティス)」を発表した。同年11月にリリースの予定で、Xilinxボード向けに無償で提供する。
Vitisは、Xilinx FPGA、SoC、Versal ACAPで組み込みソフトウェアやアクセラレーションアプリケーションを開発するための総合環境。標準ライブラリを豊富に備え、ソフトウェア開発者は普段利用しているツールから最適化されたオープンソースライブラリにアクセスできる。ハードウェア開発者は、パッケージ化されたハードウェアモジュールを用いることで、生産性を向上できる。
Vitisは、オープンソースの標準開発システムやビルド環境にシームレスにプラグインできるスタックベースのアーキテクチャで構築されている。
最下層の「Vitis target platform」は、ボードとプログラム済みのI/Oからなる。第2層の「Vitis core development kit」は、AI(人工知能)エンジンや外部ホストなどのランタイムライブラリと、コンパイラ、アナライザー、デバッガーといったコア開発ツールで構成される。
第3層の「Vitis accelerated libraries」には、最適化された400以上のオープンソースアプリケーションがある。それらは「ビジョン」「数理ファイナンス」「データ圧縮」など8つのVitisライブラリに分類される。ソフトウェア開発者はこれらのアクセラレーション関数を標準のAPI経由で呼び出し、利用できる。
第4層の「Domain-specific development environment」の中心となるのは、ドメイン特化アーキテクチャ(DSA)を含むAI推論開発向けの開発プラットフォーム「Vitis AI」だ。Vitis AIでは、トレーニング済みAIモデルの最適化、圧縮、コンパイルが約1分で実行できる。
DSAについては、ゲノム解析用やビッグデータ分析用などパートナー企業が提供する各種DSAも利用可能だ。Xilinxでは今後、FFmpegから直接ビデオエンコードができる「Vitisビデオ」のDSAをリリースする。
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