Azure Sphere対応のIoTアダプターが登場、接点入力で既存設備にも導入しやすく:CEATEC 2019
アットマークテクノは、「CEATEC 2019」(2019年10月15〜18日、幕張メッセ)の日本マイクロソフトブースに出展し、Azure Sphere対応のIoT(モノのインターネット)アダプター「Cactusphere(カクタスフィア)」をデモ展示した。
アットマークテクノは、「CEATEC 2019」(2019年10月15〜18日、幕張メッセ)の日本マイクロソフトブースに出展し、Azure Sphere対応のIoT(モノのインターネット)アダプター「Cactusphere(カクタスフィア)」をデモ展示した。CactusphereはMicrosoftが推進する「Guardian device for Azure Sphere」として、日本初(アットマークテクノ調べ)となる製品だ。
Azure SphereはセキュアなIoTデバイスの開発、運用を支援する統合セキュリティプラットフォーム。強固な鍵保管機能などのセキュリティ機構を搭載したAzure Sphere対応MCU(マイクロコントローラー)、Linuxベースの組み込みOSである「Azure Sphere OS」、そしてクラウドサービスの「Azure」を三位一体として、エッジデバイスからクラウドまでの通信を多層的に防御する。
Cactusphereは、Azure Sphere対応MCUのMediaTek製「MT3620」を搭載したIoTアダプター。アナログ入力、接点入力、接点出力、シリアル入力など搭載インタフェースごとに製品をラインアップする。工場やビルではスイッチやリレー、遮断機など、接点によって電気回路を制御する設備が多い。接点入力を持つCactusphereを既設設備に外付けすることで、設備の構成や設定を変更することなく接点情報をデータとしてAzureへセキュアに転送できる。また、デバイスの管理やファームウェア更新をクラウド側からリモートで実行できるOTA(Over-The-Air)機能も備える。
Azureに転送されたデータは、Azure IoT Centralのダッシュボードによって簡単に見える化できる他、Power BIやOffice 365との連携、機械学習の活用といった応用的なサービス開発ではAzure IoT Hubを活用することも可能だ。
同製品の価格は1万円前後で、「市場に浸透しやすい価格設定とした」(アットマークテクノ担当者)。2020年3月ごろの発売を予定する。RS-485やイーサネットを搭載した製品の提供も検討している。
同社ブースでは、生産ラインを模擬したターンテーブルが設置され、CactusphereとAzure IoT Centralを用いた生産量可視化サービスをデモ展示している。接点入力を備えるCactusphereと光電センサーが接続され、光電センサーがターンテーブル上の対象物を検知すると、検知データがAzureへ転送される。可視化はAzure IoT Centralのダッシュボードを用い、Cactusphereで実行するプログラムはC言語でコーディングしている。デモアプリケーションの構築は1日で完了したという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「Azure Sphere」の半端ない専用チップコストは下げられるのか
2018年4月にMicrosoftが発表した「Azure Sphere」。「Windows 10」よりも高いセキュリティ機能を担保できるソリューションであることをうたっているが、現時点では高価な専用チップが普及に向けてのボトルネックになりそうだ。 - Azure Sphere用新プロセッサの開発に向けNXPとマイクロソフトが協業
NXP Semiconductorsは、Microsoftと協業し、新しいAzure Sphere認証済みクロスオーバーアプリケーションプロセッサを開発する。i.MX 8アプリケーションプロセッサの拡張版で、高い性能とエッジクラウド間のセキュアな接続を提供する。 - 「Azure Sphere」でIoTコーヒーメーカーを守る、「Device Twin」の機能有効化も
アヴネットは、「Embedded Technology 2018/IoT Technology 2018(ET2018)」の日本マイクロソフトブース内で、同社のIoT(モノのインターネット)向けセキュリティソリューション「Azure Sphere」のデモを披露した。 - オリンパスがAI活用を加速、プラットフォームにAzureを採用
日本マイクロソフトは2019年3月1日、オリンパスの次世代製品やサービスを支えるAI(人工知能)プラットフォームに同社クラウド「Azure」が採用されたと発表した。 - 軽量かつ強固なIoT向け軽量暗号、NTTらが開発しISO標準に採択
NTTは2019年10月4日、同社とルーベンカトリック大学(ベルギー)、デンマーク工科大学(デンマーク)と共同で開発したIoT(モノのインターネット)向け軽量暗号技術「LightMAC」がISO標準に採択されたと発表した。 - 暗号鍵や証明書を配信し、IoT機器とクラウドを安全につなぐサービス
凸版印刷は、IoT機器をクラウドへ安全に接続し、通信するための「トッパンセキュアアクティベートサービス」の提供を開始した。