Azure Sphere用新プロセッサの開発に向けNXPとマイクロソフトが協業:IoTセキュリティ
NXP Semiconductorsは、Microsoftと協業し、新しいAzure Sphere認証済みクロスオーバーアプリケーションプロセッサを開発する。i.MX 8アプリケーションプロセッサの拡張版で、高い性能とエッジクラウド間のセキュアな接続を提供する。
NXP Semiconductors(NXP)は2019年6月28日、Microsoftと協業し、新しいAzure Sphere認証済みクロスオーバーアプリケーションプロセッサを開発すると発表した。NXPのi.MXプロセッサとMicrosoftのAzure Sphere認証済みチップを組み合わせ、高い性能とエッジクラウド間のセキュアな接続を提供する。限定的なサンプル供給の開始は2020年10〜12月を予定している。
新プロセッサはNXPのi.MX 8アプリケーションプロセッサの拡張版で、MicrosoftのAzure SphereセキュリティアーキテクチャとPlutonセキュリティサブシステムを統合している。Azure Sphere OSが駆動するのはもちろん、セキュリティの更新、新たな脅威の特定、Azure Sphereセキュリティサービスへの接続が可能だ。OSとセキュリティの更新には10年以上対応する。
Arm Cortex-A35のシングルまたはデュアルコア、独立したリアルタイムドメイン用のCortex-M33コア、独立したオーディオビデオ処理用のHiFi4 DSPコアを搭載する。製造プロセスにはFD-SOI(完全空乏型SOI)技術を採用している。
ヘテロジニアスなマルチコアコンピューティング、多彩なグラフィック体験、低消費電力オーディオ処理機能を提供するだけでなく、常に学習するインテリジェントでセキュアなコネクテッドデバイスの開発を支援し、インダストリアルIoT(モノのインターネット)エッジアプリケーションのニーズに対応する。
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