自動車メーカーらで完全自動運転車のコンピュータアーキテクチャを共同開発:自動運転技術
自動車メーカーと大手サプライヤー、半導体メーカーらは2019年10月8日、「Autonomous Vehicle Computing Consortium(AVCC)」を立ち上げ、完全自動運転車の実現に向けて協力すると発表した。自動運転に必要な共通のコンピュータアーキテクチャを開発し、安全性が高く低価格な自動運転車を普及させることを目指す。
自動車メーカーと大手サプライヤー、半導体メーカーらは2019年10月8日、「Autonomous Vehicle Computing Consortium(AVCC)」を立ち上げ、完全自動運転車の実現に向けて協力すると発表した。自動運転に必要な共通のコンピュータアーキテクチャを開発し、安全性が高く低価格な自動運転車を普及させることを目指す。
AVCCではまず、システムアーキテクチャと演算プラットフォームに関する推奨事項を策定する。サイズや温度範囲、消費電力、安全性といった自動車に特有の要求や制限と、自動運転システムの性能要件の調和を図る。推奨事項は、自動運転車を試作から大量生産に移行させることを目標に設定する。また、自動運転システムの各ビルディングブロックのソフトウェアAPIの要件も開発する。開発したプラットフォームを共有することにより、イノベーションに集中できるとしている。
AVCCの初期メンバーはArm、Robert Bosch(ボッシュ)、Continental Automotive(コンチネンタル)、デンソー、General Motors(GM)、NVIDIA、NXP Semiconductors、トヨタ自動車。新たな参加も歓迎している。会長はGMの研究開発部門でラボグループマネジャーを務めるMassimo Osella氏が務める。同氏は「自動運転車を大規模に普及させるための技術革新には、業界レベルでの協業が必要だ」とコメントを発表した。
メンバー各社は、完全自動運転車の実現と普及のためのイノベーションに焦点を当てたエコシステムの形成を目指す。AVCCのワーキンググループではアイデアを共有し、共通の技術的課題を研究することで、業界横断型の協業を推進する。
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