タレット型、クシ刃型刃物台搭載、大径高機能モデルのスイス型自動旋盤:FAニュース
スター精密は、最大加工径φ38mmのスイス型自動旋盤「SX-38」を開発した。正面加工用として手前側に工具取り付け面10面のタレット型刃物台、奥側に工具旋回制御軸付きの4軸対向型ミリングユニットを標準装備したクシ刃型刃物台を搭載する。
スター精密は2019年9月5日、最大加工径φ38mmのスイス型自動旋盤「SX-38」を開発したと発表した。2020年4月から販売を開始する。
SX-38は、同社スイス型自動旋盤の大径高機能モデル「SV-38R」の後継モデルとして開発。タレット型刃物台とクシ刃型刃物台を搭載し、主に医療、自動車、航空機関連産業に向く。
正面加工用として手前側に工具取り付け面10面のタレット型刃物台、奥側に工具旋回制御軸付きの4軸対向型ミリングユニットを標準装備したクシ刃型刃物台を搭載。両刃物台の同時加工により、正面加工時間を短縮する。また、背面加工には背面専用のY軸制御付き8軸型ユニットを搭載。正面加工と背面加工の最適な工程分割や同時加工により、加工時間の短縮を図れる。
タレット型刃物台の仕様別に、クランプ機構により工具ユニットの着脱が容易なクイックチェンジ方式の「type A」、独自のワンポジション工具駆動方式を採用した「type B」の2タイプを用意。type Aは既存の回転工具ユニットを使用でき、type Bは過度な振動や発熱を抑制することで、より安定した精度で連続運転できる。
また、ガイドブッシュ切り替え機構を搭載。全長寸法が長い部品を高精度で加工できるガイドブッシュ仕様と、短い部品を無駄なく加工できるノンガイドブッシュ仕様を1台で自由に変更できる。
各刃物台は、機械前面から各部への距離を短縮するため、傾けた構成で配置している。他に、最適なポジションで操作できる旋回式パネル、アラームの内容をNC画面上で確認できるアラームヘルプ機能など、オペレーターの操作性、作業性の向上を図った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 工作機械の共通インタフェース「umati」とは何か?
工作機械のスマート化に向けて注目されている通信規格が「umati」である。本連載では「umati」とはどういう規格なのか、技術的にはどういう背景があるのか、どのような活用シーンがあるのかについて、紹介する。第1回となる今回は「umati」とは何かをテーマに概要を取り上げる。 - 工作機械も4.0へ、シェフラーとDMG森精機が描く「マシンツール4.0」
ドイツのインダストリー4.0が大きな注目を集める中、工作機械にもIoTを積極的に活用する動きが出てきている。軸受部品を展開するシェフラーと、工作機械メーカーのDMG森精機は工作機械のインダストリー4.0対応を目指す「マシンツール4.0」プロジェクトを推進している。 - アップルVSサムスン訴訟を終わらせた日本の工作機械の力
知財専門家がアップルとサムスン電子のスマートフォンに関する知財訴訟の内容を振り返り「争う根幹に何があったのか」を探る本連載。最終回となる今回は、最終的な訴訟取り下げの遠因となった「新興国への技術移転」の問題と「なぜ米国で訴訟取り下げを行わなかったのか」という点について解説します。 - 半導体露光機で日系メーカーはなぜASMLに敗れたのか
法政大学イノベーション・マネジメント研究センターのシンポジウム「海外のジャイアントに学ぶビジネス・エコシステム」では、日本における電子半導体産業の未来を考えるシンポジウム「海外のジャイアントに学ぶビジネス・エコシステム」を開催。半導体露光機業界で日系企業がオランダのASMLに敗れた背景や理由について解説した。 - ナノスケールのちりの影響を抑制、半導体製造装置が目指すIoT活用
「SEMICON Japan 2016」のIoTイノベーションフォーラムで登壇した東京エレクトロン執行役員の西垣寿彦氏は、半導体製造における“ちり”の管理と、IoTを使った生産性向上の取り組みについて紹介した。 - 72台の装置を半日で稼働、日本発「ミニマルファブ」が変える革新型モノづくり
産総研コンソーシアム ファブシステム研究会などは「SEMICON Japan 2016」で、「ミニマルファブの開発成果を発表。同研究会などが推進するミニマル生産方式による製造装置「ミニマルシリーズ」72台を設置し、半導体製造工程のほとんどをカバーできるようになった成果をアピールした。