コンチネンタルから分社化したパワトレ部門、48VマイルドHVがけん引役に:東京モーターショー2019
Continental Automotive(コンチネンタル)は「第46回東京モーターショー2019」(一般公開日:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)において、「There is no quality of life without mobility.」というメッセージで、モビリティが暮らしを豊かにしていくことをアピールする。また、パワートレイン部門を分社化して2019年10月1日から動き出した新会社「Vitesco Technologies」についても紹介する予定だ。
Continental Automotive(コンチネンタル)は「第46回東京モーターショー2019」(一般公開日:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)において、「There is no quality of life without mobility.」というメッセージで、モビリティが暮らしを豊かにしていくことをアピールする。また、パワートレイン部門を分社化して2019年10月1日から動き出した新会社「Vitesco Technologies」についても紹介する予定だ。
コンチネンタルは2020年1月1日付で大きな体制変更を実施する。グループセクターを「ラバーテクノロジー」「オートモーティブテクノロジー」「パワートレインテクノロジー」の3つに分け、パワートレインのグループを分社化するというものだ。本社だけでなく、日本法人でも同様の体制となる。ラバーテクノロジーでは、タイヤとタイヤ以外の工業用ゴム製品を扱う。オートモーティブテクノロジーは、自動運転技術やシャシー関連、自動車のネットワーク化や情報系を担当する。新会社を含め、将来的には持ち株会社のような運営体制にしていく方針だ。
新会社のVitesco Technologiesが扱う製品は、インジェクターやポンプ、高電圧のパワーユニット、電動ドライブトレイン、電源電圧48Vのマイルドハイブリッド(HV)システム、排気系などが含まれる。新会社の従業員は4万人で、グローバルで50カ所の拠点を持つ。2018年の売上高は約77億ユーロ(約9050億円)だった。
パワートレイン部門を分社化したのは、開発スピードを上げることが目的だという。「パワートレインは他の事業領域と比べて規制の影響が大きく、地域ごとに動向が異なる。独立した、より小さい会社の方が規制への対応を含めて動きやすいと判断した」(コンチネンタルオートモーティブジャパン CEOのBert Wolfram氏)。厳しいCO2排出規制への対応や、より実走行に近いWLTPモード燃費を踏まえた迅速な改善、電動車のコスト競争力向上といった課題に取り組むことも求められている。
新会社のビジネスをけん引するのは48VマイルドHVで、現在は出力30kWのシステムを開発中だという。時速80〜90kmの速度までモーターのみで走行できる。CO2削減効果は現行製品が10〜15%減なのに対し、開発品は20%まで改善が見込めるという。これだけでなく、高電圧部品、電動アクスル、熱マネジメント、バッテリーシステムや車載充電器などをそろえ、さまざまなパターンの電動パワートレインをサポートする。
新会社では、内燃機関に関するサポートも続ける。新興国でのエンジン車の需要や、エンジンとモーターを組み合わせた電動車を含めると、2025年でも新車の90%がエンジンを搭載するという見通しが背景にある。2030年以降は電気自動車(EV)の比率が20%まで高まると見ている。ただ、エンジンの新技術の研究開発や、エンジン関連の新規受注に向けた提案は行わない。あくまで既存の内燃機関関連のサポートであり、電動化に向けたアプローチが主となる。
「エンジン関連の開発をいつ終了するか、厳密にいうのは難しい。将来に向けた研究開発は電動化にリソースを割くが、内燃機関のエンジニアリングは取引先がいるのでしばらく続く。コンポーネントや電子部品も需要があるだろう。規制でそうした部品を変更する必要があれば、そこにエンジニアのリソースは使う。取引先のパートナーとして、常にサポートすることが基本姿勢だ。ただ、複数の取引先が数年以内に最後のディーゼルエンジンを開発することを発表しているように、取引先の方針にわれわれも追従することになる」(Wolfram氏)
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