10分の1インチでアスペクト比1:1のCMOSイメージセンサーを発表:組み込み開発ニュース
ON Semiconductorは、10分の1インチでアスペクト比1:1のCMOSイメージセンサー「ARX3A0」を発表した。マシンビジョン、AI、ARやVRアプリケーション、補助セキュリティカメラでの利用を見込む。
ON Semiconductorは2019年9月11日、10分の1インチでアスペクト比1:1のCMOSイメージセンサー「ARX3A0」を発表した。近赤外波長での感度も高く、消費電力も少ないことから、マシンビジョン、AI(人工知能)、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)アプリケーション、補助セキュリティカメラでの利用を見込む。
ARX3A0は、解像度が0.3Mピクセルのモノクロセンサー。裏面照射型ローリングシャッター採用だが、最大フレームレート360fpsを利用してグローバルシャッターのようにも動作できる。
同社のNIR+テクノロジーを用いているため、近赤外波長での感度が高く、低照度条件でも利用可能だ。低電力モードから自動的に復帰するウェイクアップ機能も搭載する。消費電力も少なく、30fpsのイメージキャプチャーで19mW未満、1fpsでは2.5mWだ。
高さの低いモジュール設計や、省スペースに対応したAR、VRゴーグルの開発も期待できる。また、人間だけでなく機械に特化した用途も想定しており、AI向けビジョンシステムや、自己位置推定と地図作成を同時に行うSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)を使ったアプリケーションにも対応する。
チップスケールパッケージとウエハーダイの2種類で提供する。また、評価ソフトと評価ボードも入手可能だ。
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