Full-HD規格DLPを採用した高精細光造形方式3Dプリンタ2機種を発表:3Dプリンタニュース
武藤工業は、高精細光造形方式3Dプリンタ2機種を発表した。XY解像度が50μmの「ML-100」と40μmの「ML-80」で、標準添付のソフトウェアにより、高精細工業製品の造形に必要な寸法精度や嵌合の検証、滑らかな表面にも対応できる。
光造形方式3Dプリンタ「ML-100」「ML-80」を発表
武藤工業は2019年9月10日、高精細光造形方式3Dプリンタ「ML-100」「ML-80」を発表した。樹脂の硬化にUV光を使用するFull-HD規格のDLPを採用。外形寸法は400×390×570mmと小型ながら、精度の高い造形が可能だ。本体価格は各230万円(税別)で、同年9月20日から受注を開始する。
造形には吊下げ積層方式を採用。最小積層ピッチは25μm、最大積層ピッチは100μmとなる。最大造形サイズは、ML-100が96×54×130mmで、ML-80は76×42×130mmだ。XY解像度50μmのML-100は製造業での精細部品の試作に、XY解像度40μmのML-80は緻密な宝飾品デザインなどに適している。
本体はスタンドアロンで稼働するため、PCと常時接続の必要はなく、STL形式のデータをUSBメモリ経由で入力できる。本体の7インチLCDタッチパネルから造形操作が可能で、樹脂や積層ピッチなどの項目選択や樹脂の造形パラメータのカスタマイズができる。他に、樹脂を追加するための一時停止機能や造形状態を確認できるプレビュー機能も備える。
また、造形物表面平滑化処理機能を装備したスライサーソフトウェア「Mutoh Slicer_J(サポート付与機能付き)」を標準添付。高精細工業製品の造形に必要な寸法精度や嵌合の検証、滑らかな表面にも対応する。
樹脂は、スタンダードのほか、軟質、耐熱、型取りなど造形目的に合わせた各種光硬化樹脂を用意する。それぞれ大容量1リットルボトルで供給する。
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