FDM方式3Dプリンタ「MF-2500EPII」を発売、POMなどエンプラに対応:3Dプリンタニュース
武藤工業は、エンジニアリングプラスチック対応FDM方式3Dプリンタ「MF-2500EPII」を発売した。自社製300℃対応高温デュアルヘッドを搭載し、最大300×300×300mmの大型造形物でも高速出力ができる。
武藤工業は2019年1月15日、エンジニアリングプラスチック対応FDM(熱溶融積層)方式3Dプリンタ「MF-2500EPII」を発売した。本体価格は85万円(税別)で、初年度に年間100台の販売を見込む。また、旭化成製「テナック」を使用したエンジニアリングプラスチック「ポリアセタール(POM)フィラメント」も同時に発売。径1.75mmで、1kgの価格は2万9800円(税別)だ。
MF-2500EPIIは、自社製300℃対応高温デュアルヘッドを搭載。最大300×300×300mmの大型造形物でも高速出力ができる。それぞれのヘッドに別素材のフィラメントを装填することで芯材と表面材料を使い分け、別カラーフィラメントによる2色造形などに対応する。
造形テーブルの最大設定温度は150℃で、エンプラでもテーブルに定着させながら造形可能だ。造形テーブルの幅を二分割し、各ヘッドが同時に稼働するデュプリケート機能では、1種類の造形を2つ同時に作成できる。デュプリケート時の造形サイズは、150×300×300mmとなる。
さらに、高温対応ヘッドを備えたことで、POMフィラメントの安定造形に対応した。同時発売したPOMフィラメントは、添加剤未使用のため食品安全に関する溶出試験をクリアしており、厚生労働省告示やFDA、欧州委員会規則などの規制に適合し、食品加工工程にも使用できる。なお、MF-2500EPIIでPOMを使用する場合、造形物とテーブルの接着性を確保するため、3Dプリンタ用シート「BuildTak」が必要になる。
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