簡単にセルラーIoTをプロトタイピングできるプラットフォームを発売:組み込み開発ニュース
Nordic Semiconductorは、簡易セルラーIoTプロトタイピングプラットフォーム「Thingy:91」を発売した。GPS搭載マルチモードLTE-M/NB-IoTモジュール「nRF9160 SiP」をベースとしている。
Nordic Semiconductorは2019年8月22日、簡易セルラーIoT(モノのインターネット)プロトタイピングプラットフォーム「Thingy:91」を発売した。バッテリー駆動型で、同社のGPS搭載マルチモードLTE-M/NB-IoTモジュール「nRF9160 SiP」をベースとし、Arm TrustZoneのインターネットグレードの暗号化とセキュリティをサポートする。
アセットトラッキング向けのサンプルアプリケーションをフルサポートし、コンテナ内のアイテムを近距離無線技術のBluetooth 5経由で個別に追跡する輸送コンテナを構築できる。また、長距離に対応するセルラー無線技術を介して、コンテナ本体とコンテナの内容の重要な変化をリモートで追跡可能になる。
同社のSoC「nRF52840」を搭載しており、Bluetooth 5やNFC、Threadなどの近距離無線技術をサポートする。また、10MBのデータがプリロードされたiBasisのNano(4FF)eSIMカードが同梱され、セルラーLTE-MおよびNB-IoT接続とのローミングを自動的に実行する。
センサーは、温度、湿度、空気の質、気圧を測定する環境センサーと、色・光のセンサーを用意する。他に、低電力加速度計と高G加速度計も個別に搭載している。
希望小売価格は約119米ドル(約1万2700円)。1440mAhのリチウムイオンバッテリー充電用USBコネクターを装備し、6×6cmのケースに格納した。同社のRTOS「Zephyr」を搭載した専用セルラーIoT開発キット「nRF Connect SDK」も用意する。
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