そのPLCじゃないあのPLC、IoTで復権なるか
MONOist読者の皆さまにとって「PLC」というと、工場内の機器を制御するプログラマブルロジックコントローラーを思い浮かべる方が多いと思います。実際にググってみれば、1ページ目に出てくる候補10件の内、9件はプログラマブルロジックコントローラー関連です(ちなみに残り1件は「PLC」というアイドルグループのWebサイトでした……)。
とはいえ、製造業と絡むPLCはもう1つあります。そう、パワーラインコミュニケーション、電力線通信のPLCです。機器設計を行う上で、電力供給と通信を1本の配線で行えると小型化や軽量化が可能になりますが、電力線通信のPLCはこれを住宅や工場、ビルなどで行おうというものです。パナソニックなどを中心に、2000年代の製品開発以降、事業展開が進められてきましたが、当初注力していた一般消費者向け市場では普及しているとはいえない状況にあります。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ≫MONOistメールマガジン編集後記バックナンバー
- HD-PLC改めIoT PLCは住空間のCANを目指す、パナソニックが普及に本腰
パナソニックが技術開発に注力している電力線通信(PLC)の事業展開について説明。これまでHD-PLC(高速電力線通信)として推進してきたが、2019年3月のIEEE 1901aとしての国際標準化を受けて、IEEEでの呼称である「IoT PLC」に改めた上で展開を拡大する方針だ。 - 国際標準規格「IEEE 1901a」に認定、最大1Gbpsが可能な次世代電力線通信技術
パナソニックは、同社が提案するIoT向け次世代PLC技術が、国際標準規格「IEEE 1901a」として承認されたと発表した。利用状況に応じて周波数帯域を制御することで、通信速度を切り替えたり通信距離を拡張したりできる。 - スマート工場で再び脚光を浴びるか、HD-PLCの取り組み
パナソニックは、CPS/IoT展「CEATEC JAPAN 2016」で、HD-PLC関連技術を出展。従来は家庭向けの通信技術として注目を集めていたが、新たな技術を組み込むことで工場などB2B向け機能を充実。IoTを活用したスマート工場化の流れで訴求を強めていく。 - パナソニックが狙う“暮らし”と“現場”、2つのプラットフォーマーへの道
「Society4.0にうまく適合できなかった」と危機感を示すパナソニック。ソフトウェア開発体制の強化など、Society5.0時代に向けてさまざまな変革を進める。パナソニックが新たに変革すべきところ、強みとして残すべきところはどういうところになるのだろうか。パナソニックのイノベーション推進部門を統括する専務執行役員である宮部義幸氏に話を聞いた。 - パナソニック「HomeX」が示す、これからの製造業が生きる道
パナソニックは100周年を記念して開催した初の全社ユーザーイベント「CROSS-VALUE INNOVATION FORUM 2018」(2018年10月30日〜11月3日)を開催。本稿では「HomeX」について説明したパナソニック ビジネスイノベーション本部長の馬場渉氏の講演内容を紹介する。