トヨタと資本提携でスズキが960億円調達、200億円を研究開発体制の強化に:製造マネジメントニュース
トヨタ自動車とスズキは2019年8月28日、資本提携に関する合意書を締結したと発表した。相互に株式を持ち合い、トヨタ自動車からスズキに対する出資比率は4.94%となる。スズキは市場買い付けにより480億円相当のトヨタ株式を取得する。資本提携に踏み込むことにより、自動運転分野を含めた新たな領域での協力を進めていくため、長期的な提携関係の構築、推進を目指す。
トヨタ自動車とスズキは2019年8月28日、資本提携に関する合意書を締結したと発表した。相互に株式を持ち合い、トヨタ自動車からスズキに対する出資比率は4.94%となる。スズキは市場買い付けにより480億円相当のトヨタ株式を取得する。資本提携に踏み込むことにより、自動運転分野を含めた新たな領域での協力を進めていくため、長期的な提携関係の構築、推進を目指す。
スズキはトヨタ自動車に対する第三者割当による自己株式の処分で、960億円を調達する。調達した資金は、自動運転分野の研究開発を進める基盤の整備、自動運転など新領域の研究開発を行う人的基盤の整備の他、2016年4月に発行した転換社債型新株予約権付社債の早期償還に伴って減少した運転資金として活用する。内訳は、自動運転の研究開発基盤の整備に150億円、新分野の研究開発の人的基盤における整備に50億円となり、2023年3月までを支出予定時期としている。残りの760億円が運転資金の補填(ほてん)となる。
両社は2016年10月に業務提携に向けた検討を開始して以降、具体的な内容で議論を続けていた。2019年3月には、トヨタ自動車の電動化技術とスズキの小型車技術を持ち寄り、商品補完を進めることや、商品の共同開発、生産面での協業について詳細な検討を進めると発表した。
電動化技術に関しては、トヨタ自動車のハイブリッドシステム「THS」をグローバルでスズキに供給する方針だ。また、インドではハイブリッド車の技術普及に向けて、ハイブリッドシステムやエンジン、電池の現地調達化に取り組む。欧州では、トヨタ自動車の「RAV4」「カローラワゴン」の電動モデルをスズキに供給するとともに、スズキがデンソー、トヨタの支援を受けて開発する新開発の小型超高効率エンジンをトヨタ自動車のポーランド工場で生産する。トヨタ自動車はこの新開発エンジンをコンパクトカーに採用する。
小型車に関しては、インドでスズキが展開するコンパクトカー「シアズ」「エルティガ」をトヨタ自動車に供給し、トヨタ自動車もインドで販売する。また、シアズとエルティガに加えて同じくスズキがインドで生産する「バレーノ」「ビターラブレッツァ」も供給し、これらの車種はトヨタ自動車がアフリカ市場でも展開する。ビターラブレッツァは、2022年からトヨタ自動車のインド工場において生産する。
さらに、スズキのインドにおける車両開発の知見を活用し、CセグメントのMPVを共同開発する。モデルはトヨタ自動車からスズキに供給する。
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