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3次元の設計環境とうまく付き合うには【ハードウェア編】“脱2次元”できない現場で効果的に3D CADを活用する方法(4)(2/2 ページ)

“脱2次元”できない現場を対象に、どのようなシーンで3D CADが活用できるのか、3次元設計環境をうまく活用することでどのような現場革新が図れるのか、そのメリットや効果を解説し、3次元の設計環境とうまく付き合っていくためのヒントを提示します。今回は、3D CADソフトウェアの選定と同じくらい重要な“使用するハードウェア環境の選び方”について取り上げます。

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設計環境を快適にするために必要な3つのこと/もの

 ここまで、3D CADソフトウェアを快適に利用するために必要な“PCのスペック”に関するポイントを説明してきました。ここからは“より設計環境を快適にするために必要なもの/こと”について取り上げます。

(1)ディスプレイの大きさ

画像はイメージです
画像はイメージです(iStock.com/Madmaxer)

 2D CADの場合もそうですが、ディスプレイサイズは大きければ大きいほど作業効率がアップします。後述のノートPCを含めて、15インチ以上で、解像度が1920×1080以上あると、かなり快適に作業できるでしょう。また、複数のファイルを同時に開いて作業する場合は、外付けディスプレイを活用するとよいでしょう。最近は、4Kディスプレイも以前と比べて安価に購入できるようになっています。

(2)ノートPC or デスクトップPC

 持ち運びを考えるとノートPC(モバイルワークステーション)が便利です。客先に伺って打ち合わせをする際などにも柔軟に対応できます。ただし、できるだけ安価に、ハイスペックのPCを購入したい場合はデスクトップPCの方がよいでしょう。

 ノートPCだと、(1)のディスプレイサイズがどうしても小さくなりますが、大きい外付けディスプレイを活用することで快適な作業空間が作れます。また、近頃はリモートでPCを遠隔地から動かすこともできますので、安価でハイスペックなデスクトップPCをメイン環境にしつつ、出先からは安価なノートPCを介してデスクトップPC(の3D CAD環境)をリモートで動かすといった使い方も可能です。

 さらに、3D CADを使用する際、数値入力を頻繁に行いますので、ノートPCの場合はキーボードに「テンキー」があるモデルを選択するといいでしょう。

(3)マウス

 2D CADもそうですが、3D CADではマウス操作が必須といえます。長時間使用するものなので持ちやすさ、使いやすさを重視して選びましょう。ワイヤレスマウスという選択肢もあります。

 また、マウスにボタンが複数付いているものや、3Dマウス(3Dconnexion)などもあり、ボタンに3D CADのコマンドを割り当てることが可能です。特に3Dマウスは、3D環境での作業に特化しており、つまみの部分を引っ張ったり、回したりすることで、3Dモデルの拡大、縮小や回転などが行え、従来のマウスよりもクリック数や手首の動きを軽減する効果があります。

3DconnexionのWebサイトより ※出典:3Dconnexion
3DconnexionのWebサイトより ※出典:3Dconnexion

設計者がより集中できる環境づくり

 今回は、3次元の設計環境とうまく付き合うためのPCのスペックや周辺機器について説明しました。他にもデータのバックアップ装置やサーバ、プリンタなど、必要に応じて購入の検討をしてください。

 「低スペックのPCを購入してしまったため、普段の設計作業がスムーズに行えず、時間をロスしてしまっている……」という話も時々耳にします。予算の関係もあるかと思いますが、できるだけPCは推奨スペック以上のモノを購入すべきです。

 また、ハイスペックなPCや機器がそろっていても、“設計者が集中できる環境”でなければ、良い設計は行えません。設計者だけに限らず、全ての職場の人たちが働きやすい空間を作ることが大切であり、働いている人たちの目線で職場環境を構築することが経営者側には求められます。職場環境の改善にはそれなりに費用がかかると思いますが、最終的には、それが会社にとって“プラス”となって返ってくるはずです。(次回に続く

筆者プロフィール

小原照記(おばら てるき)

いわてデジタルエンジニア育成センターのセンター長、3次元設計能力検定協会の理事も務める。3D CADを中心とした講習会を小学生から大人まで幅広い世代の人に行い、3Dデータを活用できる人材を増やす活動をしている。また企業の困り事に対し、デジタルツールを使って支援している。人は宝、財産であると考え、時代に対応する、即戦力になれる人財、また、時代を創るプロフェッショナルな人財の育成を目指している。優秀な人財がいるところには、仕事が集まり、人が集まって、より魅力ある街になっていくと考えて地方でもできること、地方だからできることを考えて日々活動している。


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