Armが新ライセンスモデル「Flexible Access」を発表、必要な分だけ支払い:組み込み開発ニュース
Armは、半導体設計資産の利用を拡大するために新しい提供モデル「Arm Flexible Access」を発表した。メーカーはライセンス取得前から、必要なIPを利用してプロジェクトを開始でき、生産段階に進んでからライセンス料を支払う。
Armは2019年7月16日、半導体設計資産(IP)の利用を拡大するために、新しい提供モデル「Arm Flexible Access」を発表した。メーカーはライセンス取得前から、必要なIPを利用してプロジェクトを開始でき、生産段階に進んでからライセンス料を支払えばよい。
Arm Flexible Accessを導入すれば、ライセンス契約前に複数のIPブロックを評価し、プロトタイプの作成が容易になる。既存のユーザーだけでなく、これまでArmを導入していなかったシステムプロバイダーやOEM、スタートアップ企業に対しても、半導体設計の機会を提供する。
Arm Flexible Accessで利用できるIPは、過去2年間にライセンス提供されたArm Cortex-A、R、Mファミリーの75%を含む。他に、Arm TrustZoneとCryptoCellのセキュリティIP、Mali GPU、システムIPと、SoC設計や初期のソフトウェア開発用の各種ツール、モデルも利用可能だ。
ユーザーは、少額の利用料を支払うだけで広範なIPに無制限にアクセスできる。ライセンス料は製造が決定した段階で発生し、さらに出荷数に応じた利用料を支払う。年間ライセンス料は利用内容に応じて変わり、7万5000ドル(約800万円)と20万ドル(約2120万円)の2プランを用意。IoT(モノのインターネット)や機械学習、自動運転、5Gなどの分野で必要な半導体の試作や評価、開発を促進する。
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