HVACに特化、空調機器メーカー向けの小型プログラマブルコントローラー:FAニュース
シュナイダーエレクトリックは、空調機器メーカー向けの小型プログラマブルコントローラー「Modicon M171」「Modicon M172」を発売した。アナログ制御のHVACに特化したコントローラーで、M172の高機能モデルはHVAC機器のIoT化をサポートする。
シュナイダーエレクトリックは2019年7月29日、空調機器メーカー向けの小型プログラマブルコントローラー「Modicon M171」「Modicon M172」を発売した。システムの規模や必要な機能に合わせて、全38機種から選択できる。
両製品は、HVAC(Heating Ventilation and Air Conditioning)に特化したコントローラーだ。これまで日本では、HVAC向けにもデジタルで制御するFA用のコントローラーを使用し、アナログI/Oを別途用意することでHVACのアナログ制御に対応していた。
Modicon M171とModicon M172は、全モデルにアナログ入力を標準装備。アナログ出力についても、ほとんどのモデルに標準装備されており、空調機器メーカーは低コストでシステムを構築できる。
また、−20〜+60℃(一部モデルでは+55℃まで)の環境性能を備える。これにより、FA用コントローラー使用時に必要だった、低温におけるスペースヒーターなどの設置を省くことができる。
Modicon M171は、HVAC単体を制御するベーシックなスタンドアロンモデルで、全15種を展開する。
Modicon M172のうち、高パフォーマンスでHVACを制御する高性能モデル「オプティマイズドモデル」は全6機種。内蔵I/Oはアナログおよびデジタル入出力の合計で18、28、42点仕様がある。シリアルI/F 2chを標準装備する。
Modicon M172の「パフォーマンスモデル」は、ネットワーク機能を備え、HVACのIoT(モノのインターネット)化をサポートする高機能、高性能モデル。シリアルI/F 2ch、イーサネットI/Fを標準装備し、ModbusTCP、BacNet/IP、Webサーバ、FTP、E-Mailなどのネットワーク機能に対応する。内蔵I/O は、アナログおよびデジタル入出力の合計で7、18、28、42点仕様。全17機種がラインアップされている。
オプティマイズドおよびパフォーマンスモデルは、どちらもオプションで拡張I/Oモジュール(12点、28点)が最大7ユニットまで拡張でき、拡張HMIモジュール、ネットワークモジュールに対応可能だ。
なお、同社のWebサイトからは、プログラミングツール「EcoStruxure Machine Expert-HVAC」が無償でダウンロードできる。同ツールには、動作検証済み、評価済みのアーキテクチャである装置構成のひな型や、回路ブロックなどプログラムを部品化した多数の「ファンクションブロック」が用意されており、システム開発の効率向上を支援する。また、国際規格「IEC61131-3」の5言語に対応し、世界標準でプログラムメンテナンスができる。
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