NECがsXGP対応プライベートLTEシステムを発表、2020年初頭に出荷開始:製造業IoT
NECは、免許不要の1.9GHz周波数帯を使用するsXGP対応プライベートLTEシステムを発表した。病院、工場、倉庫などで、特定のユーザーや用途に対応したセキュアなLTEネットワークを容易に構築可能になる。
NECは2019年7月22日、免許不要の1.9GHz周波数帯を使用するsXGP(shared XGP)対応プライベートLTEシステムを発表した。病院、工場、倉庫などで、特定のユーザーや用途に対応したセキュアなLTEネットワークを容易に構築可能になる。商用出荷は2020年初頭を予定する。
新システムは、sXGP対応アクセスポイント(AP)とAPコントローラーから構成される。APの設置場所は天井や壁を想定し、電源がない場所でもEthernet経由で給電できる。APコントローラーは複数のAPを集中管理するため、管理工数と運用コストも削減できる。
同社のコミュニケーションサーバ「UNIVERGE SV9500CT」「UNIVERGE SV9300CT」「UNIVERGE Aspire WX」やsXGP対応スマートフォンと組み合わせれば、内線通話などのモバイル環境や業務システムにも活用できる。
sXGPは、免許不要の周波数帯を使い、無線干渉の影響が少なく安定した通信が特徴の自営通信用TD-LTE規格だ。秘匿性の高いLTEのSIM認証、クローズドなネットワーク構成を利用して、セキュアなローカル無線通信ネットワークを構築できる。
sXGPに対応した同システムを導入することで、内線システムとナースコールシステムを連動させた病院向けソリューション、ネットワークの無線化による工場設備のレイアウトフリー化や無人搬送車による運搬自動化などスマート工場・倉庫化が可能になる。また、公衆回線に依存しないため、災害時のBCP対策としても有効だという。
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